医療テックスタートアップのネクイノ(大阪市北区)が運営する、スマートフォンでピルの相談から診察、処方まで行えるオンライン・ピル処方サービス「スマルナ」は、全国の利用者2,118人を対象に、2月2日から始まった緊急避妊薬(アフターピル)の処方箋なしでの薬局販売(OTC化)に関する意識調査を実施した。
緊急避妊薬は、避妊に失敗した場合など、予期しない妊娠を防ぐ重要な選択肢で、同社が2023年に実施した調査では、緊急避妊薬のOTC化に「賛成」と回答した人が86.2%にのぼり、多くの当事者がアクセス改善の前進を望んでいることがわかった。
一方、今回の調査では、OTC化について「とても安心できる」は50.7%、「安心できるが、懸念もある」は42.4%となった。検討段階では賛成意見が多数だったものの、販売開始を前に不安を感じる人も少なくないことが示され、安心して利用できる環境整備の重要性が改めて明らかになった。
また、緊急避妊薬の入手にあたっては、「すぐに手に入ること」や「状況に応じて入手方法を使い分けたい」という回答が多く、複数の入手方法や選択肢が、当事者の安心感につながる様子がうかがえた。
以下調査結果の一部を抜粋。
<緊急避妊薬のOTC化について>
緊急避妊薬のOTC化について「とても安心できる」は50.7%。一方で「安心できるが、懸念もある」は42.4%。

懸念内容は、1位が薬局で口頭で依頼することに抵抗がある(48.9%)、2位は対面で薬剤師に相談しづらい/話しづらい(40.2%)、3位は購入時のプライバシーが十分に守られるか不安(39.1%)。

対面で購入することに対する心理的ハードルに加え、プライバシーへの配慮が安心につながる要素の一つであることがうかがえる。
<緊急避妊薬の入手時に重視すること>
入手時に最も重視することは「すぐに手に入ること」がトップ(73.3%)。

緊急避妊薬は72時間以内に服用することで妊娠を防止する効果がある医薬品であり、早く服用するほど効果が高いと言われている。服用経験者の回答から、必要となった場合は早急なアクセスが最も重要視されることがわかった。
今後必要になった場合の入手先は「状況に応じて入手方法を使い分けたい(緊急度や時間帯、場所など)」が最多。OTC化によって薬局での購入という選択肢が加わることで、状況に応じた入手方法を選びやすくなることが期待される。

<緊急避妊薬服用後の意識・行動の変化>
緊急避妊薬を服用した人のうち、服用後に避妊について「考えが変わった」と回答した人は70.1%。

「低用量ピルを服用し始めた」「コンドームの使用を徹底するようになった」「避妊方法についてパートナーと話し合う機会が増えた」など、避妊に対して主体的な行動変化が起こっている。

意識の変化については、「自分のからだは自分で守るという意識が強くなった」(64.7%)、「避妊の重要性をあらためて強く感じるようになった」(63.5%)が多く挙げられた。加えて、「予期しない妊娠がどれほど自分に大きな影響を与えるかを実感した」(51.2%)という回答も半数を超えた。

調査結果からは概ねポジティブな捉え方をしていることが見受けられる反面、プライバシーや購入方法に関して不安を抱く人も少なくないこともわかる。
また、緊急避妊薬に対する実体験や意見を求めたところ、「相手がコンドームをつけてくれなかったとき、不安でいっぱいで眠れなかった。もうそんな思いをしたくない(20代)」や「避妊に失敗していることに気づき、その日のうちにパートナーと一緒にオンライン診療を受診した。この経験を経て性に関しての知識をお互い身につけようと思えた(20代)」、また「緊急避妊薬が必要になった際、どうしても女性が主体となって入手する事の方が多いように感じる。責任はどちらにもあると思うので、もっと男性にも情報が浸透してほしい(40代)」など、緊急避妊薬を使用しなければいけない場面において男性側の理解や協力が大きな意味を持つことも浮き彫りになっている。
今回の緊急避妊薬のOTC化を女性だけの問題ではなく、男性も含めた社会の問題として受けとめ、対応していく必要性を感じる調査結果となった。
回答者の年齢分布は、10代(18~19歳)が4.4%、20代が50.9%、30代が30.3%、40代以上が14.4%だった。
