【4月から暮らし、こう変わる】食品・交通費値上げで家計に〝ズシリ〟

暮らし、こう変わる

「こども家庭庁」発足 子ども政策の充実を期待

 4月からは生活面では原材料価格などが高騰している。しょうゆ、マヨネーズや加工品など食品値上げは5千点にも及び昨年に続き家計は圧迫されそうだ。食品以外では、JR西日本や関西の多くの主要私鉄は運賃を値上げし、宅配便の基本運賃も上がる。公的年金も引き上げされるが、物価高で〝目減り〟になるなど暮らしの重みはズシリと増えそうだ。子育てに特化した子供を産んだ人が受け取る「出産育児一時金」が8万円増えて50万円に増額される。また、子供・子育て政策を総合的に担う「こども家庭庁」が発足し、子ども政策の充実、敏速な対応が期待される。このほかスマートフォン決裁アプリを使ったデジタルマネーによる賃金支払いの解禁、中小企業で月60時間超えた残業、割増賃金率を引き上げる。マイナンバーカードを健康保険証として利用できるシステムの導入を義務化など、労働・生活分野の制度改正が目立つ。

給与デジタル払い、出産一時金増額
NHKの新制度は〝罰金〟との批判の声も

 4月から子ども・子育て政策を総合的に担う「こども家庭庁」が発足するほか、子どもを産んだ人が受け取る「出産育児一時金」が50万円に増額されるなど、子育てに関連した取り組みが進む。賃金面では「PayPay」などスマートフォン決済アプリで給与を受け取れる「デジタル払い」が解禁される。一方で生活面では原材料価格などが高騰しており、しょうゆ、マヨネーズや加工品など食品値上げは5000点にも及ぶ。昨年に続く「値上げの春」に家計は圧迫されそうだ。

制度改正

「子ども家庭庁」が発足
出産一時金、42万円から50万円に増額
中小企業で月60時間超えた残業、割増賃金率引き上げ
スマートフォン決裁アプリを使ったデジタルマネーによる賃金支払い解禁
過疎地など特定の条件下で、自動運転「レベル4」の公道走行解禁
NHK、受信料未払いで2倍の割増金の請求可能に
男性社員の育休取得割合、大企業は公表義務付け
通園バスに子どもの置き去りを防ぐ、安全装置の設置の義務化
不当な寄付勧誘を規制する被害者救済法の行政措置、罰則規定が施行

生 活

公的年金増額(68歳以上)も物価高で実質目減り
マイナンバーカードを健康保険証として利用できるシステムの導入を義務化。使わない場合、受診料値上げ
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料が平均11.4%値下げ
自転車に乗る際のヘルメット着用、全年齢で義務化

値上げ

家庭用、マヨネーズ類など5000品目超の食品が値上げ予定 ※帝国データバンク調べ
JR西日本、関西の主要私鉄が運賃値上げ
佐川急便、ヤマト運輸(3日~)の宅配便の運賃値上げ
夏用タイヤ値上げ(ブリヂストンなど)

年金引き上げも物価高で〝目減り〟

 子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」が発足し、少子化や虐待など複数省庁にまたがっていた課題に一元的に対応する。制度改正では、決裁アプリで給与が受け取れる給与の「デジタル払い」が解禁される。残業代については、中小企業も月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が25%から50%に引き上げられる。1日の改正道交法施行で特定の条件下で、運転を完全自動化する「レベル4」の自動運転による公道走行が解禁。通園バスに子どもの置き去りを防ぐ安全装置の設置が義務化された。

 年金は2022年度比で68歳以上は1.9%引き上げられる。ただ、給付を抑制する「マクロ経済スライド」の発動で実質的に目減りする。一方、NHKは正当な理由がないのに受信料を支払わない人に対し、受信料の2倍の割増請求ができるようになる。国民の中には「受信料を払った人だけが視聴できるスクランブル化を導入すればいい。まるで〝罰金〟のような新制度」と批判の声も上がっている。

「従来の保険証」負担増へ

 マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」普及のため、従来の保険証を利用した際の受診料がアップする。ただし、12月末までの特例措置で、窓口負担3割の場合、初診と再診時に6円ずつ加算する。政府の〝あの手この手〟のマイナンバー普及に批判の声は多い。
 また、自転車に乗る際のヘルメット着用が全年齢で努力義務になった。

暮らしは重荷

 帝国データバンクが2月末に発表した食品主要195社の集計では、4月の食品値上げはマヨネーズ、しょうゆなど全4892品目に上る。食品以外では、JR西日本や関西の主要私鉄の運賃が値上がった。宅配便は佐川急便が平均8%、ヤマト運輸も3日から平均10%基本運賃が上がった。