10月から暮らし こう変わる 〝今年最大〟食品値上げラッシュ

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 10月は今年最多となる2911品目の食品が値上がりする一方、子育て世帯に関わる制度の変更も。10月から変わる暮らしをまとめた。

 10月に値上げされる食品は、ペットボトル入りの飲料やハム、ソーセージなど2911品目。今年最多となることが帝国データバンクのまとめで分かった。
 品目別では飲料水やお茶などのペットボトルを中心とした「酒類・飲料」が1362品目と最も多く、全体の半数を占めた。次いでハムやソーセージなどの「加工食品」が673品目。このほか、チョコレート関連の商品をはじめとする「菓子」は237品目に上った。
 伊藤園はペットボトルの「お~いお茶」、サントリー食品はミネラルウォーター「サントリー天然水」を値上げ。明治のチョコレート菓子や、亀田製菓の「ハッピーターン」、やおきんの「うまい棒」など人気の菓子類も価格を引き上げた。子どもを持つ主婦にとっては痛い話だ。
 値上げの背景には、異常気象などによる原材料高に加えて、全国的な人手不足に伴う物流費や人件費の上昇が理由にある。

子育て世帯の負担軽減へ 児童手当も拡充
大阪最低賃金、全国で3番目の1114円

 全国の都道府県で、最低賃金が10月1日から順次、引き上げられる。全国平均の引き上げ額は過去最大の51円で、時給の平均は1055円だ。
 最低賃金は、厚生労働省や各地の労働局の審議会を経て毎年、都道府県ごとに決められる。
 引き上げ額が最も大きかったのは徳島県の84円、時給が最も高いのは東京都の1163円。大阪府は神奈川県に次ぎ、全国で3番目の1114円。一方で最も低いのは秋田県の951円。東京都と比べて212円の差となった。

子ども3人以上世帯に手厚い支援

 子どものいる家庭に支給する児童手当の制度が変わった。所得制限が撤廃されるほか、対象年齢が「中学生まで」から「高校生年代まで」に延長した。
 第一子と第二子は月額で、3歳未満が1万5000円、3歳以上から高校生年代までは1万円。第三子以降は全期間で月額3万円が支給される。子どもが3人以上いる世帯が特に減少しているため、手厚い支援を実施。
 また、従来は年3回だった支給回数が、年6回に増える。
 25年3月31日までに申請を行えば、拡充分の児童手当を24年10月分から受け取りが可能。
 小学生の子どもを持つ母親は「生活の水準が厳しい中、制度の変更はありがたい。もう少し子育てがしやすい世の中になってほしい」と話す。

「置き配」でポイント還元

 宅配便の荷物を玄関に置く「置き配」などを選んだ利用者に、一配送あたり国が最大5円補助するポイント還元事業も始まった。アマゾンジャパンやヤマト運輸など6社が参加。
 コンビニ受け取りや、ゆとりのある配送日時の指定など、再配達の削減につながる仕組みを利用した消費者にポイント還元する。
 事業は運転手の残業規制強化で輸送力の低下が懸念される「物流2024年問題」への対策の一環だ。以前から配送を担う運転手にとって「留守による再配達」が負担になっていることが指摘されていた。
 置き配ポイントの導入によって再配達が減少すれば、ほかの消費者に荷物を届けることができ、ドライバー不足問題の解消が期待される。

飲食料品値上げ
10月に値上げ予定の飲食料品は2911品。全体の半数を「酒類・飲料」が占める

最低賃金引き上げ
時給の全国平均は、前年度比51円増の1055円に。引き上げ額は過去最大

児童手当を大幅拡充
所得制限が撤廃され、支給対象が中学生までから高校生年代までに拡大

郵便料金値上げ
はがきは63円から85円に。25㌘まで84円、50㌘まで94円と分かれていた手紙(定形郵便物)は110円に一本化

医療
安価な後発医薬品(ジェネリック)があるのに、特許が切れている先発医薬品を使う場合、後発品との差額の25%が新たに患者の窓口負担に

「置き配ポイント」スタート
置き配や、ゆとりある配送日時を指定した消費者に事業者を通じてポイントを還元。還元額は事業者ごとに設定