現行スタイルになって10年目の「京都国際映画祭」が10月15日に閉幕した。最終日は前身の京都市民映画祭・京都映画祭から引き継がれ66回目となる牧野省三賞を映画監督の阪本順治(65)が、国際映画祭が始まって10回目の三船敏郎賞を俳優の竹中直人(67)がそれぞれ受賞した。
プレゼンテーターは俳優の名取裕子(66)で、阪本監督は「過去の受賞者の顔ぶれを見ると〝恐れ多い〟とか〝身に余る光栄〟と言う言葉は、このいう時のために使う言葉だと分かる。賞の定義に〝日本映画に寄与した人〟とあるので、これから寄与できるように頑張ります」とあいさつ。
舞台公演中の竹中はビデオレターを寄せ「とてつもなく光栄。これからも映画にしがみついて生きて行きたい」と話した。
6月に前実行委員長の中島貞夫監督(享年88歳)が死去。10年前に資金難で継続困難に陥った京都映画祭を吉本興業と組んで再生継続させた同監督の偉業をしのび追悼。「『序の舞』(1984年・東映京都製作、主演・名取裕子)のような文芸大作を撮るかと思えば、一番の自信作として『ポルノの女王~にっぽんSEX旅行』(73年・東映京都製作、主演・荒木一郎)を上げていた。東大卒の文学青年らしく、しぶとく生きる頼りない男を描くのがうまかった」と、意外な一面を紹介。
締めでは実行委員長の中村伊知哉iU大学長が「10周年を終え、次回の来年からは新たな試みに取り組みます」と閉会宣言した。
(畑山博史)