ハリウッド俳優の渡辺謙(65)が大阪浪速区の難波八阪神社を訪れ、冷徹な敵役ライオン・キロスを日本語吹き替え声優として演じた映画「ライオン・キング ムファサ」超実写プレミアム吹替版のヒットを祈願した。
アニメ映画「ライオン・キング」(1994年)は、世界の映画賞や音楽賞を多数獲得。2019年には超実写版が公開され、ディズニー映画として全世界で歴代映画興収No.1の約16・6億㌦を記録した。
同神社には巨大な獅子頭をかたどった高さ12㍍の獅子殿があり、その大きな口が「邪気を飲み込み、勝運(商運)を招く」とされる。祈祷後本殿から移動してきた渡辺は獅子の大きな口から登場し「わっ、すごいな!」と全体を見上げ驚いた表情。「10月からキロス役を何度かに分けて収録していまして、セリフの最終チェックを終え、大阪へやってきました」とあいさつ。
ディズニー作品初参加となる渡辺は「ライオン・キング」の魅力について「アニメーションの時から何作も作られている作品。もちろん動物が主人公の話しなんだけれど、ある意味人間社会を投影しているような深いメッセージ性が隠されている。そしていつの時代にも通用する心に刺さる作品。だからこそ〝その起源はどこにあるのか?〟という作品が今回作られたと思っています」とコメント。「ライオン・キング」は、主人公シンバを命がけで守る父王ムファサと、そのムファサの命を奪う弟スカーの存在が知られているが、渡辺が演じたキロスはまだ仲が良かったシンバとスカー兄弟と敵対する存在。渡辺は「キロスはただの悪役キャラクターではなく、社会から疎外されている。血のつながりからくる憎しみだけでなく、自分たちの存在意義すら壊されてしまう、そんな苦しみや悩みを背負いながら、守るべきものを守ろうとしている、そんなキャラクターです」と分析し説明。
無類の阪神タイガースファンの渡辺だけに、チームについての質問が飛ぶと、今年8月1日の阪神甲子園球場開場100周年イベントで自身が司会を務めた際に藤川球児・球団本部SA(特別補佐)に会い、「何年後かに監督のオファーが来たら絶対受けてね」と声を掛けたエピソードを披露。「ご本人もこんなに早くその日(監督就任)が来るとは考えていなかったでしょうね。とても良い人選だと思う。岡田彰布監督と矢野燿大監督と金本知憲監督のいいとこ取りした感じの監督になるんじゃないでしょうか?」とエール。「2月の沖縄キャンプはぜひ見に行って確かめたい」と期待を込めた。
映画「ライオン・キング ムファサ」は12月20日から全国公開される。
(畑山博史)