“男性演歌第7世代”の真田ナオキ 地獄から生還し、目標は紅白出場

 独特のハスキーな歌声でファンを魅了する真田ナオキ(34)。新浜レオン、辰巳ゆうとに並び〝男性演歌・第七世代〟のトップランナーだ。5月22日発売の新曲「246」(にぃよんろく)は、大ヒットした4年前のメジャーデビュー曲「恵比寿」を思い起こさせるポップな仕上り。恋人と共に東京から神奈川を抜け静岡へと通じる国道246号を、車で疾走する青春譜が鮮やかに浮かび上がる。

神戸で行うサマーツアーをPRする真田ナオキ

 昨年「3人の誰が出る?」と注目されたNHK紅白歌合戦への初出場権を、全員がそろって逸する「まさか!」の結末。「NHKは演歌・歌謡曲を本気で育てる意思があるのか!」と関係者やファンから大ブーイングが起きた。発表直後に3人は互いに連絡を取り合いながら、誰ともなく「来年こそ!!」と再スタートを誓い合った。真田は「師匠(吉幾三)からも慰められましたが僕はけっして諦めない。1年や2年で結果が頂けるほど甘くない、と覚悟しています。それでも僕が苦しい時も応援して下さったファンや支えてくれたスタッフに恩返しするのは、紅白出場しかない。目標はブレません」と表情を引き締めた。

 昨年前半は苦しいことの連続だった。離婚歴や実子の存在が週刊誌で明らかにされ、のどの不調にも追い打ちを掛けられた。医師の診察を受けたところ声帯の周囲に固いシコリできる歌手としての職業病の一種。予後が長引く手術などの抜本治療は避け、睡眠や休息を十分に取ることで活動を継続している。「師匠には〝無理するな〟と叱られました。それは〝頑張るな〟というのではなく、〝歌手の声は楽器と同じ。一度潰れてしまったら取り返しがつかない〟という意味です。毎朝起きて声の調子をしっかりと確かめ、その日のコンディションで声帯の使う部分を工夫して日々歌っています」とプロらしい答え。

 離婚歴報道で女性ファンの一部が離れた時期もあったが、昨春発売の新曲「酔えねぇよ!」のヒットに救われた。「あれから1年。それまでの僕はどこかで自分を演じていたところがあった。報じられたのは事実でもう隠し事はないし、その必要もありません。ずっと支えて頂いたファンやスタッフ、つらい思いをさせた元妻や子ども達に感謝しかないです」としみじみ。

ポップな新曲「246」が5月22日発売の真田ナオキ

 7月17日には昼夜2回公演で「2024NAOKIサマーツアー」(ラジオ大阪後援)を三宮の神戸朝日ホールで生バンドをバックに行う。東京2公演を併せたビッグイベントで、カップリング曲を加えた新曲すべてはもちろん90年代ポップスや大好きなサザンオールスターズまでカバー曲も厳選した。「神戸公演はちょうど真夏に入ったばかりの時期になりそうですね。この季節にふさわしい熱くノリのいぃステージをお見せしたい。ぜひ聞きにいらして下さい」と元気いっぱいだ。

 (畑山博史)