浪曲や大衆演劇を取り入れた独り芝居仕立ての「浪曲演歌」を得意とする岡田しのぶ(47)が神戸新開地で開催の「KOBE流行歌ライブ」に出演。番場の忠太郎の母親との再会と別れを描いた『瞼の母』を10数分にわたって熱演。そろいの法被姿のファングループなどから盛んな声援を浴びた。
3歳で詞の意味も分からず「浪曲子守唄」を口ずさみ、7歳から演歌・ポップスを歌っては近隣のカラオケ大会に出場、「天才少女」の呼び声が高かった。アマ時代を含めた歌手生活は既に40年に及ぶ。
発売したばかりの最新曲「紅の意地」は、去った男を心の中から捨て去り雄々しく生きる女性の歌。これまでのちょっと巻き舌で威勢良く歌い上げるタッチから、持ち味の中低音で最後まで淡々と語り掛ける曲調。「最初歌詞だけ見たらもっと強い女のイメージだったけど、宮下(健治)先生の曲はワルツ。レコーディングの時は〝リズムだけ気を付けて〟って言われました」と意外性を強く感じたよう。それでも「担当ディレクターさんや作家の先生方が、プロデビュー25周年の私に新しい冒険をさせて下さるなんてありがたいですよ」とチャレンジ精神旺盛。
今も出身地の群馬で暮らし、これまでは首都圏や東北を中心とした東日本を中心に活動を続けてきた。今回の新曲では西日本にも積極的にPR活動を展開。12月18日には大阪アメリカ村にあるライブハウスBIGCATで開催の「大阪発流行歌ライブ」に出演予定。「大阪の演歌ファンはノリがいいです。拍手はもちろん掛け声や動きでどんどん乗せてくれます」と楽しそう。得意の「浪曲演歌」はもちろん披露する計画。「師走ですから大好きな赤穂浪士から『雪の南部坂』がいいかも。大石内蔵助が主君浅野内匠頭の妻・揺泉院に吉良邸へ討ち入る決意を胸にそっとお別れに来る有名な物語。季節感を含め皆さんに楽しんで頂きます」と張り切っている。
(畑山 博史)