梅田から〝ニシ〟へ 変わりゆく大阪西部の未来図

 大阪のまちが元気だ。キタ、ミナミ、ニシ、ヒガシー。各地で大規模な開発プロジェクトが進み、まちの風景が大きく変わろうとしている。その中でも注目したいのが、うめきた・梅田から桜島、夢洲へと広がる〝ニシ〟の動きだ。新たなまちづくりに加え、交通ネットワークの整備や構想も進み、大阪の未来を形づくるプロジェクトが相次いでいる。 

国内外から注目を集める新たなランドマーク「グラングリーン大阪」

変わる大阪の玄関口

 大阪再開発の象徴的な存在が、JR大阪駅北側で進む「うめきた」のまちづくりだ。2024年に先行まちびらきを迎えた「グラングリーン大阪」では、約4・5㌶の「うめきた公園」を中心に、オフィスや商業施設、ホテルなどが集積。来月には「うめきたの森」が開園し、27年度には全体のまちびらきが予定されている。

 うめきた以外の開発も目白押しだ。阪急阪神ホールディングスは「梅田ビジョン」を掲げ、梅田エリアを「世界と関西をつなぐ国際交流拠点」とするまちづくりを推進している。その中で進むのが、阪急大阪梅田駅周辺の「芝田1丁目計画」。大阪新阪急ホテルや阪急ターミナルビルの建て替え、阪急三番街の全面改修などを通じ、梅田の玄関口を大きく更新していく計画だ。

 一方、JR大阪駅の西側でも、新たな動きが続く。27年3月には、大阪駅西口改札前に新たな飲食エリア「バルチカM」が誕生する。約2200平方㍍のエリアに飲食・食物販など14店舗が集まる予定だ。

 大人の女性をターゲットに、「マダム楽しむ、大人の女子会、ちょっと特別に」をコンセプトに掲げるなど、これまでのバルチカとは一味違った魅力を打ち出す。JR西日本は同施設の開業を「JR大阪駅西側まちづくりの完成」と位置付けている。

JR大阪駅西口改札前に誕生する商業施設「バルチカM」の外観イメージ(JR西日本大阪開発提供)

まちをつなぐ、新たな交通網

 大阪の変化は、まちの開発にとどまらない。これからの人の流れを変える、交通ネットワークの整備も進められている。

 その一つが、31年春の開業を予定する「なにわ筋線」だ。大阪駅(うめきた地下ホーム)から中之島、西本町などを経て、JR難波駅と南海新今宮駅につながる新たな鉄道路線で、大阪都心部の移動を大きく変えることが期待されている。

 さらに、京阪中之島線の九条方面への延伸構想や、JRゆめ咲線の舞洲、夢洲方面への延伸も検討されている。IR(統合型リゾート)の開業を見据え、ベイエリアへの新たなアクセスルートが描かれている。

USJの拡張、桜島の開発

 その先に広がる桜島では、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」を核とした新たな動きが始まっている。

 大阪市とUSJは、現在のパーク北側にある大阪市有地約3・1㌶をUSJの拡張用地として活用する方向で協議を進めることに合意。具体的な施設や開業時期などは今後決まる予定だ。

 桜島では、「大阪桜島リゾート」の開発も進む。IHGホテルズ&リゾーツが運営し、「インターコンチネンタル」「キンプトン」「ホリデイ・イン」の3ブランド、計817室を展開。29年の開業が予定されている。

「Osaka Sakurajima Resort」プロジェクト完成イメージ(桜島開発提供)

夢洲で始まる次のステージ

 さらに西へ向かえば、大阪・関西万博の舞台となった夢洲がある。万博の閉幕後も、この場所では新たなまちづくりが動き始めている。

 まず注目されるのが、IRの整備だ。国際会議場や展示場、ホテル、エンターテインメント施設などを備えた国際観光拠点の形成が予定されており、万博後の夢洲を世界から人が集まるエリアへと発展させる大きなプロジェクトとなる。

 そして、もう一つが「夢洲第2期区域」の開発だ。約42万平方㍍の土地を対象に、大阪府・市が開発事業者を公募。27年2月に開発事業予定者を決定する予定だ。

 これに先立ち、民間から複数の開発案が示され、大林組を代表企業とするグループはサーキットや大型アリーナなどを、関電不動産開発を代表企業とするグループはラグジュアリーホテルやウオーターパークなどを提案。どんなまちが描かれるのか、今後の展開が注目される。

大阪府・市が誘致する統合型リゾート施設(IR)のイメージ(MGM大阪提供)

住むまちとして福島区に注目

 こうした変化を身近に感じるまちとして、これからのポテンシャルに期待が高まるのが福島区だ。

 同区の魅力を裏付けるのが、人口の伸びだ。ここ20年で約1・4倍に増えている。近年は大型マンションの建設などを背景に、若い世代を中心とした人口流入が続く。都心に近く、交通利便性に優れた立地も、住むまちとして選ばれる理由の一つだ。

 そして、福島を語る上で欠かせないのが、食の魅力。個性豊かな飲食店が集まり、食を目的に訪れる人も多い。一方で、昔ながらの商店街や長屋のまち並み、寺社なども残る。新しい店やマンションが立ち並ぶ都会的な風景と、昔ながらの下町らしさが自然に共存している。

商業施設が集積し、生活利便が高い阪神「野田」駅周辺

 地価にも、その人気は表れている。26年の地価公示では、福島6丁目の標準地が前年比18・4%上昇。大阪市内でも上昇率上位にランクイン。国の鑑定評価では、うめきた2期開発への近接性やマンション用地としての需要の強さなどを背景に、今後も地価は上昇傾向で推移すると予測されている。

 福島区は、うめきた・梅田エリアと、桜島・夢洲など大阪ベイエリアとの間に位置する。都心の大規模開発とベイエリアの新たなまちづくり。その両方を身近に感じられるだけでなく、周辺で進む開発による発展の恩恵も期待できるポジションにある。

 新旧の魅力が共存する福島区が今後どのような姿を見せていくのか。引き続き注目していきたい。

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