大阪・関西万博で得た「食と農の未来」への学びや気づきを次世代へつなごうと、クボタは19日、大阪市北区の同社本社で「クボタ タイムカプセルプロジェクト」の封入式を開いた。万博の記憶や人々の思いを一過性のものにせず、次世代へ継承する「万博レガシー」として残す取り組み。タイムカプセルは同社の祖業である鋳物(いもの)技術を生かした鋳鋼製で、2040年の創業150周年に一度開封した後、2100年まで受け継ぐ計画だ。

式典には、クボタ代表取締役会長の北尾裕一氏、2025年日本国際博覧会協会副事務総長の髙科淳氏ら関係者のほか、子どもたちも参加。「未来の種は、いまにある。」をテーマに、万博で生まれた学びや思いを未来へつなぐ意義が紹介された。
北尾会長は、今回のイベントへの参加抽選倍率が約11倍だったことを明かし、昨年の大阪・関西万博を振り返った。家族で会場を訪れた思い出や、さまざまな体験を語り、万博閉幕後も会場で得た感動や学びを次の世代へ受け継ぐことの重要性を強調。「万博を一過性で終わらせず、次の世代への思いを託す」と、プロジェクトへの思いを述べた。
また、創業130年を超えるクボタが、食料・水・環境という人の暮らしの基盤を支える事業に取り組んできた歴史に触れ、大阪・関西万博でも「食と農業の未来」をテーマに活動してきたことを紹介。創業時から受け継ぐ鋳物技術を生かしてタイムカプセルを製作したことにも触れ、「未来の種」として万博で生まれた学びや思いを後世へ残していく意義を説明した。
髙科氏は、クボタが万博に多大な貢献をしたことに感謝。スマートフォンや人工知能(AI)が普及する時代にあっても、実際に人が集まり、さまざまな体験を共有する場としての万博の意義を強調し、クボタが「食と農の未来」をテーマに発信した取り組みを評価した。今回のタイムカプセルが、2025年大阪・関西万博で生まれた学びや思いを未来へつなぐレガシーとなることに期待を示した。
タイムカプセルはクボタ枚方製造所で製作。重量約240キロ、大きさは縦・横640ミリ、高さ750ミリの鋳鋼製で、木型を製作し、砂で鋳型を形成して溶融金属を流し込むなど、同社の鋳物技術を結集した。封入後は窒素ガスを充填し、内容物の劣化を防ぐ。2100年の開封を想定した堅牢な構造という。
封入するのは、万博活動報告書やアテンダントのユニフォーム、万博公式マップ、「未来の都市」パビリオンの冊子などの展示関連資料のほか、1970年万博で出展したクボタ館の当時の新聞広告、子どもたちからの手紙、北尾会長と代表取締役社長CEOの花田晋吾氏による未来への手紙、クボタブランドパートナーの長澤まさみさんの直筆メッセージカード、公式キャラクター「ミャクミャク」のぬいぐるみ、クボタの農業機械のミニチュアなど。
式典では子ども代表2人が手紙を朗読した。柚木伊織さん(小学4年)は「未来の僕へ」と題し、世界の食への関心や食の多様化への期待をつづった。中庭百奏さん(小学3年)は「2040年、22歳の百奏さんへ」と題し、万博での体験や農業の未来への希望を記した。長澤さんからはビデオメッセージも寄せられ、「未来の食と農業をより良くするには一人一人の意識や行動を変えることが大切」と呼び掛けた。

封入セレモニーでは、髙科氏、北尾会長、子ども代表2人、ミャクミャクがステージに登壇。子どもたちの手紙やメッセージカード、ミャクミャクのぬいぐるみなどをタイムカプセルに収めた。「未来の種は、いまにある。」との言葉を胸に、それぞれの場所で未来への種をまき続けることを呼び掛け、式典を締めくくった。終了後には記念撮影も行われた。


完成したタイムカプセルは、同社本社19階の受付スペースに常設展示され、一般の来館者も見ることができる。

