「母の孤食をなくしたい」 関西創価高生がアプリ開発 アメリカ・MITの大会で受賞

  関西創価高校(大阪府交野市)2年生の幸地かれんさんが制作したスマートフォンアプリ「コキョウ」が、7月6~8日に米マサチューセッツ工科大学(MIT)で開催された「MIT App Inventor Global Education Summit 2026」で、「Design Excellence Award」を受賞した。

賞状を持った幸地かれんさん
MITでアプリを発表。「言葉の壁が大変だった」と幸地さん

 同大会は、AIやプログラミング教育、アプリ開発を通じた次世代人材の育成や課題解決について発表・議論する国際イベント。幸地さんは、アプリ開発を通じた課題解決を発表する日本のコンテスト「Japan Wagamama Awards 2026」でグランプリを獲得し、同大会への出場権を得た。

 「コキョウ」は、離れて暮らす母親の「望まない孤食」による問題を減らし、オンラインで一緒に食事をする機会や楽しみを増やしたいとの思いから開発したアプリである。
 幸地さんと父親は通学のため大阪で暮らし、兄も東京で生活している。母親はもともと祖父母の介護のため沖縄で一人暮らしをしていたが、祖父母が亡くなり、一人暮らしになってから食事を簡単に済ませることが増えた。それが、離れて暮らす幸地さんにとって心配の種となった。

 そこで「コキョウ」には、食事を撮影すると栄養バランスをAIが判定する機能を搭載。どの食材や栄養素が不足しているかをアドバイスし、食生活の改善につなげられる仕様とした。

 もう一つの機能として、Googleカレンダーと連携し、家族間で空いている日時を共有して、同じ時間に食事ができるよう予定を調整できる機能を設けた。「一緒にご飯を食べたいけど、みんなが忙しくて調整が難しい」と感じていたことが開発のきっかけとなった。

 開発にあたっては、アンケートやデモ操作などを通じて、300人以上にヒアリングを実施。民生委員や市議会議員、福祉・看護の現場、またIT企業からなど、幅広く意見を聞いた。

訪問看護ステーションでアプリを説明
あらゆる業種から意見を募っている様子

 当初は「母の孤食」が課題の出発点だったが、実証実験を進める中で、子ども食堂や介護・福祉施設、独居高齢者など、さまざまな「孤立」の課題に活用できる可能性を見いだした。
 ヒアリングを経て、食事中の話題を提供する「トピックルーレット」機能も追加した。AIがランダムに話題を提供する仕組みで、食事中の「心の交流」を促す狙いがある。

 こうした機能や、さまざまな「孤立」の課題解決、子どもの食育への活用可能性が評価され、農林水産省が「共食」を推奨している点への共感も含め、各賞の受賞につながった。

 幸地さんは開発の背景について「実は元々、母の孤食を解決するために『みんなで食べられる場所を探すアプリ』を作ろうとしたんですが、検討するうちに老若男女が共食できる場ってないんだと実感して、『コキョウ』のようなアプリにしました」と話す。
 今後については「『多世代が共食できる場所があればいいのに』と感じたので、市議会議員の方とも話しながら、そんな場所を実現できたらいいなと思っています」と意気込んだ。

タイトルとURLをコピーしました