大阪工業大学の「人力飛行機プロジェクト」チームが、7月25、26日に滋賀県彦根市の松原水泳場で開催された「Iwataniスペシャル 第48回鳥人間コンテスト2026」の人力プロペラ機部門で初優勝した。飛行距離は2万4671.48㍍。大学史上初めて2回目の折り返し地点を通過し、前年の2位から頂点に立った。

11チームが出場した同部門。大阪工大の機体「KAWASEMI-2026」は飛行中、強風にあおられ、11㌔付近で大きく蛇行した。さらに、風速・風向・高度が確認できる通信システムやGPSにも不具合が発生。パイロットと伴走ボートの双方が、機体の正確な位置を把握しにくい状況となった。
この場面で生きたのが、伴走ボート側の判断だった。ボートマンの小田結月さん(電子情報システム工学科3年)は周囲の景色を手掛かりに進路を判断し、パイロットに方向を指示。パイロットの柴田洋之介さん(機械工学科3年)は、その指示を信じて機体の進路を修正した。
柴田さんは「自分がどこを向いているのか分からない状況でした。それでも、ボートマンとの信頼関係があったからこそ、指示を信じて大胆に舵を切ることができました」と振り返る。

その後、機体は飛行を続け、第2の折り返し地点を通過。2万4671.48㍍を飛んで着水し、チーム初の優勝を決めた。
優勝を支えたのは、機体の改良とパイロットの鍛錬だった。「KAWASEMI-2026」は、風の強さなどに対応できるよう、長さの異なる3種類の翼を用意。今年は昨年より長い2㍍の翼を選択した。1枚ブレードのプロペラも幅の異なる2種類を製作。テスト飛行とデータ分析を重ね、本番では長時間の飛行でも安定して力を出せる幅の広いプロペラを採用した。
柴田さんも1年生から自転車によるトレーニングを続けた。2年生ではパイロットに選ばれなかったが、練習を継続。3年生では飛行中の暑さに耐えるためサウナスーツを着て、1日2時間半以上、週約500㌔を走り込んだ。
優勝を支えたものを、柴田さんは「継続力」と表現する。リーダーの山本貴王さん(同)は「柴田さんが努力する姿をずっと見てきた。過酷なトレーニングの積み重ねが今回の結果につながった」と話す。
大会の模様は9月2日、読売テレビ・日本テレビ系で放送された「鳥人間コンテスト2026」で紹介された。3時間スペシャルとして、学生たちが初優勝に挑む姿が全国に届けられた。

