住宅ローン、利上げでどうなる? 減税率と変動金利との差を考える

 住宅ローンを組んでマイホームを購入する人にとって、見逃せないのが「住宅ローン減税」と金利の関係だ。住宅ローン減税は、一定の要件を満たせば年末のローン残高の0.7%を所得税(一部は翌年の住民税)から控除できる。2026年入居分も控除率は0.7%で、制度は2030年入居分まで延長されている。

 例えば年末のローン残高が4000万円なら、0.7%は28万円。最大で年間28万円の税額控除を受けられる計算だ。ただし、実際の控除額は納めている所得税や住民税、住宅の性能、借入限度額などによって変わる。

 そこで重要になるのが、今後の金利だ。変動型住宅ローンは、日銀の政策金利の影響を受ける。2026年9月7日現在、政策金利は1%程度。一方、実際の変動住宅ローン金利は銀行によって異なるが、「政策金利1%時の目安」として1.0~1.2%程度と考えると、住宅ローン減税との関係が見えやすい。

 つまり、変動住宅ローン1.0~1.2%程度(政策金利1%時の目安)>住宅ローン減税0.7%

 という構図だ。例えば4000万円の残高に金利1%を単純に掛けると、年間利息は約40万円。一方、住宅ローン減税は最大28万円。単純比較では、利息の方が約12万円多い。

 ただし、これはあくまで単純比較だ。実際には毎月の返済で元本が減るため、利息も減少する。同時に住宅ローン減税の対象となる年末残高も減る。また、住宅ローン減税は「金利の一部を補填する制度」ではなく、所得税などから税額を差し引く制度であることにも注意が必要だ。

 さらに、夫婦で住宅を購入する際には「ペアローン」という選択肢もある。夫婦それぞれが住宅ローンを組み、一定の要件を満たせば、それぞれが住宅ローン控除を利用できる。

 例えば夫婦が2000万円ずつ、計4000万円を借りた場合、年末残高がそれぞれ2000万円なら、単純計算では夫14万円、妻14万円、世帯合計28万円が控除額の目安となる。
 ペアローンだから控除率が1.4%になるわけではない。それぞれの借入残高に0.7%を掛けて計算するため、各人が所得税などから控除できる額にも左右される。また、住宅の所有持ち分と実際の資金負担、借入割合の組み合わせによっては税務上の問題が生じる場合もあるため、事前の確認が必要だ。

 これから住宅を購入する人にとっては、「住宅ローン減税があるから得」とだけ考えるのではなく、減税率0.7%と、実際に借りるローンの金利を並べて考えることが重要になっている。

 9月17~18日は日銀金融政策決定会合が行われる。今後、日銀がさらに利上げすれば、変動型住宅ローンの金利にも上昇圧力がかかる。政策金利が1.25%と上昇した場合、住宅ローンの返済額がどう変わるのか。減税額と合わせて試算することが、住宅購入の判断材料になりそうだ。

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