万博を海上から盛り上げる 「日本丸」など3大帆船がパレード

万博会場の夢洲西岸を航行する日本丸

 大阪・関西万博を盛り上げる「OSAKA SAILING EXPO 2025」が5月31日、夢洲周辺の海上で行われた。万博会場が四方を海で囲まれているという特徴を生かし、帆船やヨットが海上をパレードした。

舞洲沖から大屋根リングを望む帆船「BLUE OCEANみらいへ」

 パレードに参加したのは日本の帆船「日本丸」「BLUE OCEANみらいへ」「Ami」の3隻と、50隻以上のヨット。大阪湾の海風を帆に受け、スタート地点の夢洲西岸からゴールの天保山まで約1時間かけて航行した。パレード後には大型帆船が天保山岸壁に係留し、帆船の一般公開や天保山マーケットプレイス前でのステージイベントなどでにぎわった。

入港前には甲板にみんなで集合!

 大阪海上保安監部の宮本勝通監部長は「日本は海外からの物資輸送や漁業、マリンレジャーなど、さまざまな形で海から恩恵を受け発展した国。しかし、その認識を持つ人が少ないと感じている。日本国民や未来を担う子どもたちに、海に関心を持ってもらい、海についてもっと知ってもらいたい」と話した。

「海についてもっと知ってもらいたい」と話す宮本監部長

 一般市民が自由に乗船できる日本で唯一の帆船「BLUE OCEAN みらいへ」の機関士を務める鈴木広治さんは「みらいへはセイルトレーニングや海洋環境学習などの体験活動を行っている。今回は約30人のボランティアや一般公募の方が参加し、帆を揚げる作業などに関わった。セイルの作り直しでは、参加者で協力し合い、体育館の床に大きな線を引いて型紙を作ったり、生地を切りミシンで一枚ずつ縫い合わせたりイベントの主役になってもらえる」と話した。

航海を見守る機関士の鈴木さん

 また、「(みらいへは)6月11日、大阪に来航するチリ海軍の帆船エスメラルダ(※)を出迎えに行く。淡路島の南端まで行き、一緒に大阪湾を搬送する」という。

(中村のりこ)

※エスメラルダは世界的に大きな帆船で、チリ海軍の練習船。美しい船体で世界でも有数の規模を誇る。大型帆船は各国の海軍で練習船として運用されていることが多い。

陸上ではステージイベントが行われて船に関するトークショーなどでも盛り上がった