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【大阪関西万博】セネガルがパビリオンで振り返って欲しい過去

 セネガルはフランス領時代の遺物やさまざまな自然公園がある、アフリカの西海岸に位置する国。

 そんなセネガルのパビリオンでは、壁一面に幾つかに分けて、セネガルを紹介するボードがあり、現在のセネガルがどんな国か、またこれからの未来はどんな風に発展していくつもりなのか、どの分野に注力して行こうとしているのか、などを写真と文章で紹介している。

 館内上部には大きな絵が2枚飾ってあり、左の絵はジュッジ鳥類国立公園という世界遺産にも登録されている国立公園。サハラ砂漠を越えて飛来する渡り鳥の中継地となってて、300万羽以上の渡り鳥が飛来し、365種もの鳥類が生息している鳥の楽園。他にもクロコダイルやアフリカマナティーも見られるという貴重な場所。現地では欧米人はフランスにバケーションに行くが、鳥たちはここへバケーションに来る、と言われているとのこと。

 右側にある絵はゴレ島。セネガルの首都ダカールの沖合い3キロほどの場所にあり、過去には奴隷貿易の拠点として栄え、世界遺産にも登録されている。
 ここから多くのセネガル人やアフリカの人たちが奴隷としてヨーロッパ諸国やアメリカへ強制的に連れて行かれたという暗い歴史を持つ島で、これこそが万博という機会にセネガルが多くの人に知ってほしいことなのだ。

 過去には苦悩の歴史があり、その歴史の上に今のセネガルがあるので、明るい未来を語るためには、この歴史的事実も伝える必要があるということなのだろう。

 華やかなことばかりが取沙汰されているが、こういう点に触れられるのも万博に参加する意義になるのだろう。詳しいことまで学ばなくともセネガルパビリオンではこの絵を眺めて、そう遠くない過去にも想いを馳せてみるのも悪くはない。

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