暑さが本格化し、1日に何度もシャワーを浴びたくなるような季節がやってきた。汗を流し、心身をリフレッシュさせる入浴は、多くの人にとってごく日常的な習慣だろう。
しかし、障がいのある人にとって、日常的な入浴は決して当たり前のことではない。
たとえば、浴槽に移る際に転倒のリスクがあったり、座位や体勢の保持が難しかったりと、入浴そのものが大きなハードルとなるケースが少なくない。介助者がいなければそもそも入浴できないという状況も多く、加えて公共のスパ施設には物理的・心理的なバリアがあり、現地を訪れることすら困難だという声もある。
特に気温が高まるこの時期、清潔を保ち、健康を維持するための入浴が思うようにできないことは、体調管理や生活の質に直結する深刻な課題といえる。
こうした課題を受け、兵庫県川西市を拠点に30年にわたり地域福祉に取り組んできたNPO法人さわやか北摂が、生活介護施設「いいyou 川西」を新設する。
施設内には、ウルトラファインバブル技術を取り入れた、車椅子やストレッチャーのまま入浴できるミスト風呂を完備。利用者の身体的負担を軽減しながら、介助者にとっても負担が少ない〝スパのようにくつろげる福祉施設〟を目指している。


現在、福祉施設の設備充実や広報活動の資金を募るクラウドファンディングが行われており、リターン品の協力をしているのが、チャーミングケア(大阪府池田市)だ。
同法人は、病気や障がいのある子どもと家族のQOL向上を掲げ、医療ケアグッズを取り扱う国内唯一のECマーケットプレイスを運営しており、支援ネットワークを全国に広げている。
障がいのある人のQOL(生活の質)向上を掲げる取り組みの一環として、チャーミングケアは今回のプロジェクトにパートナーとして参画。ユニバーサルデザインの便利グッズをリターン品として提供している。

キャップ製造の業界トップシェア企業「日本クロージャー」が開発した、ユニバーサルデザインの便利グッズで、スマートフォンに貼り付けると、スマホリング・スタンド・ペットボトルキャップオープナーの3つの機能が一体化する。力が入りづらい人でも簡単に開けられる工夫が施されている。

水はけの良いメッシュ素材で入浴グッズが収納でき、普段使いのポーチとしても使える仕様になっており、大阪府池田市のふるさと納税返礼品としても提供されているアイテムだ。
担当者は「入浴という行為は、日々の暮らしに豊かさをもたらす大切な営みであり大切な身だしなみの一環であると思います。これまで我々が取り組んできたアピアランスケア(外見ケア)の観点からも深く共感し、協力に至りました。今回ご協力させていただいているリターン品は、高齢者や障がいのある方など、誰にとっても使いやすいユニバーサルデザインのグッズをセレクトしています」と語っている。

施設への共感や応援の気持ちは、現在実施中のクラウドファンディング(9月30日まで/READYFOR)から届けることができる。https://readyfor.jp/projects/sawayaka0701