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GM4年目、初の新喜劇新人17人お披露目~競争激化の吉本新喜劇の行方は?

 吉本新喜劇の間寛平GM(75)による3月度月例会見が開かれ、昨年末から公募の「金の卵12個目」オーディション合格者17人がお披露目された。

大声でアピールする西川(左)を制止する寛平GM

 今年2月から4年目に入ったGM就任後初の新人採用。この間、1昨年亡くなった桑原和男(享年87歳)を除けば地方の「住みます芸人」に転じた者を含めても座員109人で退団はわずか3人。そこに一挙に20歳代を中心に17人が加わるから競争は一挙に激化。1人ずつ初々しい自己紹介の後、GMが冷や水を浴びせ手荒く激励した。「入ったら競争やからね。僕の時代は20代で座長になり、30代で座長卒業して次を目指した。君らは8月には全員一緒に初公演させるからそのつもりで。現役座員何人かを応援に出演させる」と宣言。凍り付く新人を横目に、スタッフが「初公演はあくまで内輪の予定」と慌ててフォローする一幕も。

自主公演内容を説明する浅香(中央)

 こうしたGMの積極性に対しベテラン、中堅の座員は変革を肌で実感。芸歴50年近い浅香あき恵(68)は人生初の二人芝居に4月26日に心斎橋の外部劇場を借り酒井藍座長共演で挑戦。浅香は「独り芝居の経験もないのに二人芝居が出来るかどうか…。初めてですけど2回目は分かりません。笑いがないシリアスな内容になりそう」と言葉少な。

「水玉れっぷう隊」としてポーズを取るアキ(左)とケン

 GMは就任以来、安住していた座員の様々な挑戦的舞台公演を認めてきた。しかし一過性はもちろん継続開催しても観客が増えないと成果としての評価は低い。これまで男優陣では本格演劇派「人間ごっこ」(佐藤太一郎・小西武蔵)や最強共演者・千葉公平、スポーツや占いなどマルチなレイチェルら、女優陣でもバレエダンサー芸人・松浦景子、軟体芸人でパワフルな小林ゆうなどごくわずか。

5年ぶりの新入団者17人と記念写真のGMら

 島田珠代に代わり今年の〝新喜劇の顔〟に選ばれた西川忠志は4月で57歳の〝西川きよしファミリー〟次男。この日も構想段階の企画を次々口にし、GMが苦笑しながら制止。緊張感がありあり。

アキ座長が1992年から組んでいるお笑いコンビ「水玉れっぷう隊」の相方ケンも新人座員として加入。格差コンビとなるがアキ座長は甘い顔は見せず「僕が新喜劇に専念している間も定期的にコンビ活動してきた。お互い気心知れている」と早くも得意の殺陣を中心とした新展開を示唆。

進化する吉本新喜劇へ。寛平GM4年目は加速ギアが更に上がりそうだ。

 (畑山 博史)