JR大阪駅北側の一等地で進む大規模開発「グラングリーン大阪」(うめきた2期)は来年9月に一部エリアの先行まちびらきを迎える。これからの開発に期待高まるうめきたに、3つの新しい道路が整備されることはあまり知られていない。施行者であるUR都市機構や関係機関に取材し、それぞれの道路計画についてまとめた。
車道、歩道、公園が一体に
新しく整備される3つの道路は「大阪駅北1号線」「大阪駅北2号線」「大阪駅北3号線」。「大阪駅北1号線」はグラングリーン大阪の北街区と南街区の中央を東西に貫く幅員40㍍の道路。 新梅田シティの南側とグランフロント大阪に接続し、うめきた地区内へのアクセス機能を確保する。
「大阪駅北1号線」は私たちが想像する道路のイメージとは大きく異なっている。道路を底部として両脇が緩やかな段差状になり、車道、歩道、公園が一体となった「ステッププラザ」が整備される。グラングリーン大阪内には街のシンボルとなる3つの主要空間が計画されているが、その一つがこの「ステッププラザ」だ。
歩道をにぎわい創出の場所として積極的に活用し、カフェやショップなどが立ち並ぶ。ステップをベンチ代わりに腰掛けて、テークアウトしたコーヒーを片手にくつろぐというような新しい道路の使い方ができそうだ。
「大阪駅北2号線」はグラングリーン大阪とグランフロント大阪の間を南北に走る道路。
現在、南側は往復4車線、北側は一方通行の2車線だが、いずれも幅員40㍍、往復4車線道路が整備される。また、「歩行者主体の空間形成」を目指し、区域内の緑と一体となった水と緑を配置したゆとりのある歩道を整備する。
特急が走っていた線路跡が道路に
「大阪駅北3号線」はJRの特急「はるか」や「くろしお」が通っていた線路跡がそのまま道路になると言えば分かりやすいだろう。今年3月にJR大阪駅の地下ホームが開業し、新大阪駅から大阪環状線に乗り入れる特急はうめきた2期地区の地下を走るようになった。地区内の地上にあった線路は既に撤去され、道路整備が進められている。
「大阪駅北3号線」は梅田地域全体の混雑緩和、幹線交通流動の円滑化に期待がかかる。うめきた2期地区の西側から阪急電車の高架下を交差し、城北公園通に接続する。これにより、阪神高速道路梅田ランプから新御堂筋への円滑な動線を確保。国道2号の市内西部方面からの東行き交通を分散し、交差点の渋滞緩和などの効果がもたらされる。
さらに、4車線のうち2車線は阪急「中津」駅前付近で国道176号の高架に接続する。十三方面や2期地区への良好なアクセスが確保されることになるだろう。
「大阪駅北3号線」の国道176号以北では、中国街道や能勢街道と接続し、それぞれ交差点となる計画だ。線路の地下化により生み出された用地と現況の側道を活用し、広幅員の歩道を確保する。