ライフスタイルの変化に伴い、冷蔵庫も進化している。各メーカーは新機能を搭載して差別化を図るが、そのトレンドの一つが「冷凍技術の進化」だ。昨年度、冷凍食品の出荷高が過去最高になるなど、冷凍食品の需要の高まりなどが背景にある。最近の冷蔵庫にはどんな特徴があるのか。
冷凍食品も過去最高の出荷
凍らせ方が違う最新技術
パナソニックの冷蔵庫は、業務用レベルの急速冷凍を搭載。揚げたて熱々の唐揚げも通常の約5倍のスピードで凍らせ、解凍しても〝外はカリッと中はジューシー〟の感覚を味わえる。三菱は「切れちゃう瞬冷凍」で、冷凍庫から取り出してすぐ、使いたい分をサクッと包丁で切ることができる。解凍が必要ない分、調理の時短にも。日立はセンサーで庫内温度を検知し急速冷凍。手軽なホームフリージングを実現している。同社は2022年からAIカメラも搭載。スーパーで「あれ、あったっけ?」と思った時にスマホで冷蔵庫の中を確認できる。
冷凍食品も進化
一方で、冷凍食品の進化も止まらない。キーワードは「プチぜいたく」と「食ロス削減」。コロナ禍の影響で冷凍食品の「お取り寄せ」が身近になり、今や冷凍おせちの市場規模も年々右肩上がりだ。
今秋、横浜高島屋が「デパ地下冷凍ショップ」を期間限定でオープン。旅の醍醐味「駅弁」の味を冷凍し、全国の人気弁当を手軽に楽しめる「時空食堂®」が百貨店に初出店した。明治創業の老舗「人形町今半」ができたてのおいしさを急速冷凍した「おかずすき焼き」を販売するなど新たな取り組みも加速している。
さらに「食ロス削減」に貢献する例も。例えば、魚のサブスクサービス「Fishlle!(フィシュル)」だ。21年3月のサービス開始から、食ロス削減やSDGsへの関心の高まりを背景に、今年7月には会員数が1万人を突破。同サービスは、味と関係ない理由で規格外になる「未利用魚」が、総水揚げ量のうち 30~40%に上る課題に着目。未利用魚を買い付け調理し冷凍して、毎月届けるサービスで認知を広げている。
10年前より40%も省エネ
進化を続ける冷蔵庫と、多彩になる冷凍食品。冷蔵庫は12~13年が買い替えの目安とされるが、環境省によると、省エネ機能を搭載した最新型は10年前の製品より40%以上の省エネ効果があり、年間の電気代で約5000円安くなるケースもあるという。
家事の時短や節約につながる冷蔵庫を上手に使い、快適な生活を目指そう。