大阪国際金融都市の取り組み 3年後には1000億円市場を目指す
大阪デジタルエクスチェンジ(本社:大阪市北区、代表取締役社長:朏仁雄氏、略称:ODX)は、国内初となるデジタル証券のセキュリティトークン取引市場「START」を12月25日に開設し、インターコンチネンタル大阪(北区大深町)で開業セレモニーを開いた。
セキュリティトークン(ST)とは、一般的にブロックチェーンなどの技術で発行・管理される有価証券で、「デジタル証券」とも呼ばれている。不動産など資産の小口化が可能となり、社債をはじめ、事業やプロジェクトへの投資が可能となり、新たな資金調達の手段として注目を集めている。
今回の取引銘柄は、ホテルなど不動産投資を手掛ける「いちご」と「ケネディクス」が発行したデジタル証券2銘柄。売買注文がマッチングすれば約定する仕組み。
今後さらに取引銘柄数を増やし、24年度内に10銘柄、3年後には取引時価総額1000億円を目指す。今回は不動産取引だったが、今後はエネルギーやコンテンツ、知財などへの広がりも見込んでいる。
当日は吉村洋文知事も登壇。「世界のいろいろな都市が成長する中で、日本は東京一極集中が続き、そして30年間成長していないといわれています。ここ大阪から『やってみなはれ』と新しいことにチャレンジすることで、西日本エリアを引っ張る都市にしていきたい」と、大阪が国際金融都市として発展することへの期待を述べた。
ODXの朏氏は、「例えばクラウドファンディングのような気軽さで、応援したいと思ったお店への投資や、お店側が応援してくれているお客さんにリターンを返すことも可能になってきます。そういった循環が地域創生につながると期待しています」と語る。セキュリティトークンが広がることで、投資取引の小口化やコストの低下が期待できる。それにより、一般消費者がより気軽に投資へ参加でき、地域の中小企業が資金集めをしやすくなるという。
セキュリティトークンの普及により、大阪に根付くあらゆる産業や地元の企業が盛り上がり、大阪が東京に負けないほどの国際都市に発展するのを期待したい。