インタビュー こでら会計事務 所長 小寺隆弘税理士
2023年10月1日から、消費税の仕入額控除の方式として「インボイス制度」が導入される。会計人として栄続企業を全力でサポートしている、こでら会計事務所(大阪市城東区)所長、小寺隆弘さん(税理士)に「インボイス制度」を機会にフリーランスなど小規模事業者が課税事業者となり、適格事業者番号を取得した場合どうなるのかを解説してもらった。
―適格事業者番号を取得した場合、「仕入税額控除」「みなし」「2割特例」の三つの選択肢があると聞いていますが。
納付する消費税額の計算は、売上等に係る消費税額から仕入・経費等に係る消費税額(仕入税額控除額といいます)を差し引きして納付する消費税額を計算します。
仕入税額控除には、本則(一般)課税と簡易課税と二つの方法が用意されています。本則課税は、実際に負担した消費税額を集計して計算します。
簡易課税は、売上の業種区分によって6つに分類し、売上等に係る消費税額にみなし仕入率を乗じて仕入税額控除額を計算します。みなし仕入率は、第一種事業(卸売業)は90%、第二種事業(小売業等)は80%、第三種事業(製造業等)は70%、第四種事業(その他)は60%、第五種事業(サービス業等)は50%、第六種事業(不動産業)は40%と規定されています。実際に負担した消費税額よりみなし仕入率を使って計算した消費税額の方が大きくなる場合は簡易課税を選択した方が有利になります。
今回の税制改正大綱においては、さらに、免税事業者がインボイス発行事業者を選択した場合の負担軽減を図るため、納税額を売上税額の2割に軽減する激変緩和措置を3年間講ずることとされています。これは、簡易課税の第二種事業(小売業等)の80%みなし仕入率に該当します。
―三つ目の通称「2割特例」は。
この2割特例は、事前の届出が不要で確定申告書に付記するだけで利用することができます。また、簡易課税の選択のような2年間の継続適用の縛りもありません。さらに、申告時に、簡易課税又は本則課税と選択適用が可能となっています。
―登録の取り消しはできるのですか?
「適格請求書発行事業者の登録の取消を求める旨の届出書」(登録取消届出書)を決算期末の30日間より前であれば、翌期から免税事業者に戻れます。規定では、提出が課税期間の末日から起算して30日前の日から課税期間の末日までの間の場合は、翌々課税期間の初日に登録の効力が失われるとなっています。
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