〝泣きの女唄〟に徹した歌唱に定評があるこおり健太(43)が、忍ぶ恋の傷痕を温泉宿でそっと独りで癒やす女性が主人公の〝お約束〟の新曲「湯の花恋唄」を出した。しかし両A面の「ハレルヤ!~亀の翼~」はガラリと趣を変え沖縄音楽とフラメンコがコラボしたラテンビートが心地よいテンポのいいダンス曲。今月からデビュー18年目に入る〝変化〟の胎動を聞いた。


この曲から所属レコード会社・徳間JCの担当ディレクターが若手の竹内凉に交代。新た制作ユニット「チームけんた温故知新」として作詞家・日野浦かなでと作曲家・池田健太郎らこおりより年下の若いメンバーが初結集したばかり。そこでこおりの従来楽曲を徹底分析し出来てきたのがこの2曲だった。こおりは「〝湯の花~〟は琴や鼓を使ったボクのド定番曲ですが、実は市川昭介先生(都はるみや市川由紀乃らを育てた作曲家。2006年、73歳で死去)の昭和歌謡を分析しオマージュしてくれた彼らの新たな取り組みの結果。〝ハレルヤ!~〟は同じメンバーが作ったけど、180度違う踊りながら歌うリズム歌謡なので今、ダンスステップの振り付けを稽古しています。ボクはずっとステージで動かずに歌うスタイルでやってきたので結構大変。まだまだダメですが、何とか来年早々には形にしたい」と戦略を明かした。

伝統的な女唄を歌い続けてきたこおりだが、コロナ禍が明けた最近の「演歌第7世代」台頭、テレビなどの旧メディア衰退、音楽がCDからネット配信への切り替わりと新時代の急流がとても気になっている。「静かに涙を流して聴いて下さる曲ももちろん大事。でもそれだけではいけない時代。色々なアプローチの形を工夫ながら進んでいければ。今回のCDが10月発売だったので〝ハレルヤ!~〟は年が変わってから一気に前面に押し出して売って行きたい。ぜひ若い層に一度聴いてもらいたい」と20周年に向かっての新たなスタートに意欲を燃やしている。

(畑山 博史)
