ミズノは10月22日、人が着用して飛行する「ウェアラブル飛行装置」のパイロット着用ギアを開発したと発表した。同装置を開発するスタートアップ企業「emblem(エンブレム)」の取り組みに協力。スポーツ用品の研究開発で培った技術を生かし、飛行中の体への負担軽減や作業のしやすさを追求した。

開発したのは、飛行時に足を掛ける「あぶみ」と専用ウエア。あぶみは国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発した。従来のハーネス(体を支えるベルト)では、飛行中に足の付け根部分に圧力が集中する課題があった。新たなあぶみを使うことで、腰や太ももに装着するシットハーネスから体にかかる圧力を分散、軽減できることを確認した。
専用ウエアは、パイロットへの聞き取りを基に設計。人間工学に基づく独自のウエア設計技術「ダイナモーションフィット」を採用し、袖下部の動きやすさを追求した。エンジンの熱から身を守るため、耐熱性や耐炎性に優れた素材も使用している。また、スポーツ用具の開発で培った研究理論を基に独自の姿勢制御理論を構築し、飛行中の姿勢を安定させる仕組みに採用した。
同装置は、両手で作業できる状態での飛行に成功している。開発元は2030年にプロトタイプの販売や実用化を目指す。車やヘリコプターでは近づきにくい場所での人命救助や、飛行しながらの作業などへの活用を想定している。
創業120周年を迎えたミズノは、スポーツ分野で培った技術をスポーツ以外の領域にも広げる方針。研究開発の指針「MIZUNO MIRAI VISION」も刷新し、新たな価値の創出を目指す。
10月24・25日には、大阪市住之江区のミズノ大阪本社・イノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」で創業120周年記念の「ミズノスポーツフェスティバル」を開催する。ウェアラブル飛行装置のほか、未来のマラソンシューズやゴルフクラブなどのコンセプトモデルを展示する。午前10時~午後4時。入場無料。
