守口・門真が合併へ再始動 商議所、法定協の設置要望へ

 守口門真商工会議所が、守口市と門真市の合併に向けた本格的な議論を行う「法定協議会」の早期設置を求め、両市の市長および市議会議長に対して、11月中旬に要望書を提出する方針を固めた。背景には、少子高齢化や生産年齢人口の減少、インフラの老朽化といった将来的な財政危機への強い懸念がある。商工会議所は単なる行政効率化にとどまらず、両市が手を取り合うことで人口20万人規模の「中核市」を目指し、地域経済と企業活動を活性化させる将来像を描いている。

人口減・財政難に危機感 「事業者視点」の地域活性化目指す

守口門真商工会館

議論再開の理由

 同商工会議所は今年4月1日に「守口門真未来会議」を立ち上げ、街をより良くするための地域の将来像について、大阪府の担当部署とも勉強会を重ねてきた。その中で、まちの持続可能性を高める選択肢の一つとして浮上したのが両市の合併構想である。

 門真市が 発表した中長期の財政見通し(令和7年度等)では、将来的に基金(貯金)が枯渇する可能性が指摘されている。守口市でも社会保障費の増大に加え、公共施設の老朽化の更新費用が重くのしかかり、将来的に財政を圧迫する懸念がある。同振興部では「困窮して手遅れになってからでは選択肢が限られてしまう。財政的にまだ余裕があるうちに議論を始めるべきだ」と強調する。

 過去にも両市間では合併構想が存在したが、当時の守口市では反対多数となり、門真市では住民投票の成立要件(投票率50%)を満たせず破談となった経緯がある。しかし、当時と比べて全国的な人口減少や地域経済の停滞は著しく進行しており、大阪府も基礎自治機能の充実を促す条例を施行し、動きを後押しするなど環境は大きく変化している。

 商工会議所は「商工会議所が合併の賛否を判断・強制するのではなく、市議会で将来の可能性について本格的に議論・検討してもらう場(法定協議会)の早期設置を、両市(市長・市議会議長)へ求める方針だ」と説明する。

「地域活性化」と中小企業支援

 商工会議所が強調するのは、住民サービスの議論とは異なる「経営者・事業者視点」での地域活性化である。地域全体の人口減少や高齢化が進み、働く世代(生産年齢人口)が減少している。特に地元製造業や中小企業が直面する深刻な人手不足に対し、両市(守口市14万人、門真市11万人)が一体となって人口20万人超の中核市となることで都市としての魅力を高め、地元で育った人材が地元企業に就職する「人材の地産地消」のサイクルを作ることを狙う。

 1社単独では難しい新卒採用も、行政や会議所がパッケージ化して後押しすることで相乗効果が期待できる。

 また、両市で個別に実施されてきた重複事業やイベントを整理・一本化することで無駄を削減し、浮いた予算を職場環境改善やIT導入、展示会出展などの中小企業補助金へと手厚く再配分できるメリットも挙げる。

 さらに、両市の製造業ネットワークやビジネスマッチングが拡大することで、地域内での取引や協力関係の強化も見込まれる。

今後の課題と見通し

 一方で、市役所の統合や公共施設の配置見直し、コミュニティバスなどの路線再編など、住民生活に密接に関わる行政サービスの再構築については慎重な議論が不可欠となる。

 商工会議所では各種調整を進めた上で、要望書を両市に提出する予定だ。その後、提案を受けた両市議会で議論が引き継がれ、協議会設置に向けた検討が行われることになる。

<法定協議会とは>市町村の合併に関する具体的な協議を行うため、地方自治法に基づき設置される公的な協議機関。関係自治体の首長や議員、学識経験者らで構成され、合併の時期、新市の名称、庁舎の位置、行政サービスの統合計画や財政計画などを具体的に議論・策定する役割を担う。

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