上方落語協会の笑福亭仁智会長(73)はこのほど協会理事会の承認を得て正式に5期目9年目となる会長職をスタートするに当たり、桂文枝・前会長(82)を最高顧問(天満天神繁昌亭開場20周年担当)、桂文珍(77)を特別顧問(若手育成担当)、笑福亭鶴光(78)を顧問(東西交流情報担当)とする新たな幹部人事を発表。副会長は約20年に渡り桂米團治(67)が留任、同じ米朝一門の兄弟子に当たる桂南光(74)が弟子や孫弟子と共に32年ぶりに協会員へ復帰することも同時発表された。

繁昌亭20周年について文枝は「〝ようやく若手が育ってきた〟と言われる方は多いが、現実は桂二葉(39)がようやく双葉の芽を出し、桂三実(33)が3つの実を付けたばかり。ボクが若手の頃は、すぐ上に(笑福亭)仁鶴兄さん(2021年に84歳で死去)や(桂)朝丸兄さん(後のざこば、24年に76歳で死去)らがおられてホンマに勢いがあった。その頃に比べたらまだまだ」と辛口でまとめながら、「20周年はアッという間。9月15日には新しい緞帳もお披露目する。記念公演の出演者もお楽しみに」と祝賀イベントの一端を披露。横に座っていた南光は「師匠(桂枝雀、1999年に59歳で死去)が協会から退かれ、弟子のボクらも行動を共にした。その間に繁昌亭が出来て、正直〝落語専門の良い寄席やなぁ。出たいなぁ〟と思った事も。その後、師匠が亡くなり私もそのままでしたが、文枝・前会長や仁智会長から何度も熱心にお誘いを頂いて」と恐縮。周年事業には「漫才芸で平和ラッパ・日佐丸を演じさせてもらいます」と協力を約束した。

仁智はこれまでの会長職8年間を振り返り「最初の2年で繁昌亭の大修繕をようやく終えた、と思ったらコロナが来て3年間。その後、協会を公益社団法人にするために規約の見直しなどを行ってきた。来春の協会設立70周年は盛大にやりたい。こちらは本当に未だ何も決まっておりません」と前掛かりする文枝のたずなを引き締めるのに懸命。

そうした中で若手育成のために寄席数を増やすことに取り組み。現行の繁昌亭と神戸・新開地喜楽館に加え、米朝一門の噺家が毎月前半に定期的に高座を開いている大阪・新世界の動楽亭を使い協会主催公演を毎月後半に開く構想も明かした。

(畑山 博史)
