京阪沿線4市(枚方、寝屋川、守口、門真)の街づくりが転換期を迎えている。開発余地を残す枚方に対し、過密状態の3市は新規開発が困難なため、空き家など既存物件を再生する「循環型」へと舵を切った。

京阪4市の開発余地はどれぐらい?
前号で取り上げた寝屋川市、広瀬市長の「選ばれる街になったが、新たに住宅の開発余地が少ない」という理由から、空き家の流通を促すことを目的に京都市に次いで2029年から導入を目指す「空き家税(非居住住宅利活用促進税)」のニュース。継続的に街づくりについて考えていくため連載ページ「京阪空き家まちづくりラボ(仮)」を始めていきたい。同じ北河内地域でありながら、守口、門真、寝屋川、(比較対象に)枚方の4市は、人口密度や「開発余地(新しく街を広げる土地の余裕)」の有無において、それぞれ異なる都市の構造を持っていることがわかった。今後の各市の動きを取材していく前に2025(令和7)年の統計データを比較していく。(濱田康二郎)

過密都市が挑む既存物件の再生
大阪市寄りは過密傾向に
北河内4市は隣り合う街同士だが、その人口の詰まり具合には驚くほど差がある。
最も(北)東に位置し、広大な面積を持つ枚方市は、1平方㌔㍍あたりの人口が約6000人。人が住める土地(可住地)の割合は約75%だ。東部を中心に農地や緑地が残されており、新しい街を外側へと「広げる」余裕が一部残されている。
しかし、ここから寝屋川(約9000人)、門真(約9500人)、守口(約1万1000人)へと西(大阪市内側)に向かうにつれて、人口密度は急激に上昇する。特に守口・門真は人が住める土地は「ほぼ100%」開発済み。昭和の高度経済成長期に一気に宅地化が進んだ結果、街の隙間は住宅や工場で完全に埋め尽くされている。新しく外側に広げるための「未知の空き地」はもう残されていないのだ。
「循環型」への転換急務
この土地の余裕(開発余地)の有無こそが、空き家問題を考える上での決定的な分かれ道になる。
枚方市のように余裕がある街なら、古い街並みの課題を抱えつつも、新しい土地に新築を建てて人を呼び込む選択肢が物理的に可能だ。
一方で、開発余地がほぼゼロの守口や門真、そして限定的な寝屋川のような街は、今後生き残るために「今ある古い住宅や土地をいかに適切に循環・流通させるか」しか道がない。新築をどんどん建てる時代から、今あるものを大切に使い回す「ストック循環型都市」への完全なシフトを迫られている。
過密都市だからこそ、1軒の空き家が放置されると、隣家への倒壊や火災、治安悪化といった地域全体の安全を脅かすリスクに直結しやすい。寝屋川市が専門家との相談窓口である「空き家流通プラットフォーム」を整備した上で、今回さらに「空き家税」という一歩に踏み切ったのも、この「これ以上土地がない」という構造的な危機感が背景にある。
民間と連携し各市が対策
守口・門真も、この過密な密集地を動かすために独自のサポートに必死だ。守口市は地元の不動産プロ集団と組み、再建築不可などの難物件を市場に戻す「空き家バンク」を展開し、相続などの気持ちの整理にも寄り添えるアプリ開発会社と連携する。
門真市は木造密集エリアを対象に、古い空き家を店舗やシェアハウスへ蘇らせる「リノベーションまちづくり」を推進している。
「空き家税」で所有者の行動変容を促す寝屋川か、民間のプロとタッグを組んで流通を仕掛ける守口・門真か。アプローチは違えど、新しく広げられない成熟した街にとって、今ある土地や家を眠らせないことは共通の命題なのだ。今後は、賃貸の入居率や住みやすさなど街を良く知る不動産会社や自治会などへの取材もしていきながら、街づくり全体について調査していきたい。

【シリーズ】空き家の取り扱いと街づくり
前回から連載をスタートさせたテーマに多くの読者の方々から感想や要望が寄せられ、関心の高さがうかがえた。皆さんはどう感じましたか。読者から寄せられたコメントをほぼ編集なしで紹介します。
●家の購入を検討しているが、今後空き家が増えて物価は安くなるのか気になります
●どれくらい課税効果があるのか知りたい
●田舎の空き家問題も取り上げてほしい
●将来マンションに住みたいので、リノベマンションの情報があれば助かります
●取り壊し費用は誰が負担するのか知りたい
●両親が寝屋川市に住んでいるため、今後両親が住まなくなったらどうなるのかを身近に感じて考える記事でした。今後の途中経過を知りたいです
●貸し出し以外の活用法
●治安や環境問題にもつながるので、各自治体の対応を知りたい
●空き家の活かし方
●他府県の取り組み
●二拠点生活の場合、どのような扱いになるのか
●枚方市は空き家課税してるかどうか
●家を解体するとしたらかかるお金
●手放して国へ返上すべきだと思う
●母が住んでる家の隣も空き家で、草や木が母の家まで入って来てる状態で主人がたまに草刈りをしてる事態です。税金も良い事ですが近隣の不満も聞いてくれたら助かります
●空き家は持ち主にとっても地域住民にとっても良い影響をもたらさないので、新しい活用をしやすくするための課税は長い目で見るとどちらにとっても良い取り組みだと感じるから
●寝屋川市がどんどん魅力的になっていくなと感じました
所有者不明の土地 情報求む!! キッチンカーやりたいんや!

ご存じ、本紙門真エリア編集長の阪本晋治師範がいる新極真会門真道場のとなりに車1台ぐらい入りそうなスペースがある(門真市柳町11―18―1F)。なんでも阪本さんが本道場を契約する前、なんだったらこのビルが立つ前から明確に区分が分かれていたそうだ。誰の持ちモノ?人脈をフル活用して調べてもわからない土地らしいんだ。なにか知っている人がいれば阪本師範に連絡してほしい!
【連絡先】090(9885)2506、阪本さん
その他の空き家や気になる土地の情報があれば編集部までご連絡ください。電話06(6454)1199 メールweekly@nnn.co.jp
