受験シーズン本番、体調管理が重要に 院内接触を最小限化 〝滞在15分〟の先進的小児科クリニックに注目

 大学受験や高校受験の本番を迎え、受験生と家族にとって体調管理がこれまで以上に重要な時期となっている。発熱や咳など、軽度の体調不良でも見逃せない一方で、「院内での二次感染」や「長時間の待ち時間」に不安を感じ、受診をためらうケースも少なくない。

 そうした中、大阪市中央区に、待ち時間や院内接触を最小限に抑える先進的な運営システムを導入した小児科・内科クリニックが開業し、注目を集めている。

 2025年6月に診療を開始した『みらいクリニック大阪北浜』は、ICT(情報通信技術)を活用し、来院から会計までを効率化。平均滞在時間は約15分(*事前患者登録済みで、検査などがない場合)とされ、体調不良時の通院による負担を軽減する設計となっている。

待合はすべて個室、院内接触を最小限に

 同クリニックの大きな特徴が、待合スペースをすべて個室ブースとしている点だ。従来の共用待合とは異なり、患者や付き添いの家族は個別空間で待機するため、他の来院者との接触機会が大幅に減少する。 受験期は体調不良の重症化が心配なだけでなく、別の感染症をもらってしまうリスクも懸念される。こうした不安に対し、個室待合は「病院に行くことで、かえって体調を悪化させてしまうのでは」という心理的ハードルを下げる工夫といえる。

受付から会計まで非接触・キャッシュレス

 来院前に、デジタル上で事前情報の入力や問診を済ませることで、院内で行っていた手続きを自宅や移動時間に前倒ししている。当日はセルフ受付端末による受付とキャッシュレス会計を採用しており、診療以外の手続きは原則として人的接触を伴わずに完了する。これにより、受付や会計の列に並ぶ必要がなく、院内滞在時間の短縮につながっている。 電話対応を最小限とし、LINEなどのデジタルツールを活用することで、医療スタッフは診療に集中できる体制を構築。患者側もスマートフォンを活用することで、スムーズな受診が可能となっている。

「滞在時間は短く、診療はより濃く」

 取材に対し、同院の医師は次のように話す。
「院内の滞在時間は大幅に短縮されていますが、その分、診療そのものに集中できる環境が整っています。結果として、診療時間はむしろ濃く、しっかり取れている体感があります。患者さんだけでなく、医療者側のQOLも考えた仕組みであり、医師として本来の仕事にコミットできる点は大きなメリットです。」

「DXでも問診と対話は丁寧に」

 また、看護師からは、DX化が単なる効率化にとどまらない点を評価する声が聞かれた。
「DX化されたからといって、コミュニケーションが簡略化されるわけではありません。むしろ、事前のデジタル問診などを活用することで、院内ではより丁寧に問診を取れる仕組みになっています。受験などの事情で体調管理を目的に受診される方には、事前に無料の患者登録をしていただくことで、よりスムーズな対応が可能になります。」

医業保全協会が仕組みを構築、地域医療DXのモデルに

 この運営システムの構築を担っているのは、医療機関向けのDX支援を手がけるcomacaグループ(医業保全協会)。医療現場の業務改善やICT導入支援を行ってきたノウハウを生かし、受付・待合・会計・コミュニケーションの各工程を再設計した。

 体調管理が合否に直結しかねない受験シーズンにおいて、「必要なときに、短時間で、安心して受診できる環境」は大きな意味を持つ。北浜に誕生したこのクリニックの取り組みは、今後の地域医療におけるDX化の一つのモデルとして、他の医療機関への波及も期待されそうだ。

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