空き店舗を〝学びの場〟に 高校生が提案する体験格差解消プロジェクト

【大阪の女性起業家の卵】四天王寺高等学校1年 松本咲和(さわ)さん

「学校は受験勉強という範囲の中での学びがメイン。本当に興味のあることを深く探求するチャンスを提供したい」と松本さん

 環境によって子どもが得られる体験に格差が生じる「体験格差」がメディアなどでも取り上げられ注目さている。この社会課題の解消に着目し、ビジネスプランへと昇華させたのが、松本咲和さん(高校一年)だ。日本政策金融公庫が主催する高校生向けビジネスコンテストに応募し、高い評価を獲得している。プラン名は「好奇心のかたまりプロジェクト」。体験格差には昔から関心があったというが、その発想は大人顔負けといえるほど鋭い。

 松本さん自身、幼い頃に行きたい場所へ行けなかった経験がある。「歴史が好きでお城に行きたくても一人では難しく、母も休みがなかなか取れなかった。経済状況だけではなく家庭環境も関係していると実感しました」と振り返る。

 プロジェクトの特徴は、シャッター通りとなった商店街を舞台にする点だ。空き店舗を体験の場として活用し、地域の大学生や住民も巻き込む。子どもには求める体験を、商店街には空き店舗の活用法を、大学生には地域とつながる場を提供するなど、それぞれに利益が生まれる仕組みを描く。

 体験プランの作成も一方的に提供するだけではなく、子どもたち自身がプレゼンを行い、投票で選ばれた案を実際の形にするといった独自性も盛り込んだ。地域住民も投票に参加でき、子どもたちの希望を街全体で実現していく様子がうかがえる。

 苦労したのは、ビジネスとして成立させるための資金調達についてだったという。NPO・NGOへの依頼、空き店舗を使った自習室の運営、クラウドファンディング、企業スポンサーの獲得、商店街振興事業への応募など、多角的な収益モデルを取り入れた。プロジェクトの参加費と自習室の利用料を基盤にしつつ外部資金も柔軟に活用する姿勢は、高校生とは思えないほど現実的だ。

 企画を進める中で大きな学びにつながったのが、ニーズを調査するためのヒアリングだったという。「自分の考えと周囲の需要に、どのような違いがあるか気づけた」と教えてくれた。
将来は医師を目指す。今回の経験は、これからも夢への挑戦を支えてくれる大きなモチベーションとなるに違いない。

 詳しくは四天王寺高等学校(https://www.shitennoji.ed.jp/stnnj/)へ。

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