〝挑戦が日常になる3年間〟へ 新校長と生徒会が語る次の100年

四條畷学園中学校、創立100周年

 四條畷学園は今年、創立100周年を迎えた。地域に根差した伝統校として、親子、兄弟姉妹、2代、3代にわたって通う家庭も多い。幼稚園から大学までを擁する総合学園には約3500人が学び、卒業生は約7万人に上る。
 100周年のロゴは、学園の象徴であるクスノキの葉をモチーフにした。タグラインは「学ぶ喜びをずっと」。同校はこの節目に、中学校として「挑戦が日常になる3年間」を掲げ、次の100年に向けた学校づくりを進めている。

山田信幸校長(中央)と生徒会メンバー=四條畷学園中学校
100周年のロゴ

新校長は現場一筋38年

 ことし4月に校長に就任した山田信幸氏は、同校で38年にわたり教員一筋に歩んできた。体育教員として教壇に立ち、サッカー部顧問も務めた、現場からのたたき上げだ。
 山田校長は「本校は着任当初から、個性を尊重し、実行から学ぶ学校だった」と振り返る。建学の精神は「報恩感謝」。教育理念は「実践躬行」で、知識を得るだけでなく、実際に行動する中で学ぶことを重んじる。

実行から学ぶ教育理念

 山田校長は「今の学校教育で盛んになっている探究学習にも通じるものがある」と話す。探究学習とは、答えが一つに決まらない課題に対し、自ら問いを立てて考える学び。同校では1年生から取り組み、3年生では進路探究につなげている。
 同校の特徴の一つが「ノーチャイム」だ。授業開始を知らせるチャイムを鳴らさず、生徒が時計を見て行動する。授業の5分前には準備を整え、時には生徒が教師を呼びに行くこともあるという。山田校長は「自分で考え、動く力を育てる仕組み」と説明する。

安心して挑戦できる学校へ

 山田校長が目指すのは、〝安心して挑戦できる学校〟だ。失敗を責めるのではなく、そこから何を学び、どう次につなげるかを大切にする。
 「生徒たち自身も気づいていない可能性を見つけ、引き出したい。一人一人が大切にされる学校でありたい」と力を込める。生活指導部は現在、「生徒支援部」と名称を改め、生徒を管理するのではなく支える姿勢を明確にしている。

校則改正も生徒主体で

 生徒会を中心にした校則改正も、同校らしい取り組みだ。若手教師と生徒会が中心となり、校則を見直す動きが始まった。
 当初は不安もあったが、山田校長は「大切なのは、単に規則を変えることではなく、なぜ変えるのか、どうすれば守れるのかを生徒自身が考えること」と語る。校則が変わって2年目には、生徒同士で「自分たちが作ったルールだから守ろう」と声を掛け合う姿が見られるようになった。

多彩な進路を支える3年間

 進路指導にも特色がある。同校は私立では珍しい3年制の中学校で、教師全員が進路指導に関わる。生徒は3年間で自分を客観的に見つめ、適性に合った進路を選ぶ。
 四條畷学園高校に進む生徒は約2割で、多くは他校へ進学する。近畿圏外へ進む生徒もおり、進路先は多彩だ。
 山田校長は「中学生時代だけでなく、大人になっても学び続ける人になってほしい。学び続けることで、時代の変化に応じることができる」と話す。100周年のメッセージ「学ぶ喜びをずっと」には、そうした願いが込められている。

卒業生が戻る〝ホーム感〟

 同校には卒業生との強いつながりもある。現在、教員10人が卒業生で、山田校長が担任した生徒が教師として戻ってきた例もある。保護者のPTA会長や役員に卒業生が就くこともあり、「世話になったから」と協力する人も多い。
 山田校長は「元生徒が大人になり、自分の子どもを通わせてくれると聞いた時は、教師冥利に尽きる」と笑顔を見せる。
 次の100年に向け、山田校長は「変わらない大切なものと、時代に合わせて変えていくものを見分けながら、学校づくり、人づくりを進めたい」と語る。「困った時に立ち戻れる原点が、建学の精神であり教育理念。伝統を守りながらも、変化を恐れず挑戦する学校であり続けたい」としている。

生徒会も節目の年に挑戦

 100周年の節目を支える生徒会メンバーも、挑戦を日常にしようとしている。女子副会長で3年のISさんは、書道部部長も務める。顧問から薦められたことをきっかけに生徒会に入った。生徒会長で2年のKHさんは、入学式で先輩生徒会と対面したことが印象に残り、「自分も迎える側になりたい」と思ったという。

 保健体育委員長で2年のKIさんは、1年生の時に体調不良で学校行事を休んだ悔しさから、生徒会に入った。「今年こそ徹底的に楽しみたい。参加するだけでなく、作る側に入りたかった」と話す。

 会計委員長で2年のSMさんは、卒業生の姉が生徒会で楽しそうに活動する姿を見て志望した。男子副会長で2年のHYさんは「小学生のころから責任あることに取り組みたかった。100周年の年に挑戦したいと思った」と語る。

オリジナルキャラも制作

 生徒会では、オリジナルキャラクターも制作した。KIさんが中心となり、四條畷神社にまつられる楠木正行をモチーフにした「さらら ぎん」を考案。兜には校章、衣装には制服のチェック柄を取り入れた。

 「さらら」は大東市周辺の古代の地名「讃良(さらら)郡」にちなみ、「ぎん」は音の響きから名付けた。イニシャルは「SG」で、四條畷学園と同じになるよう工夫した。現在は校内案内図にも掲載し、今後さらに周知していく。

文化祭、スポーツ大会に新風

 KHさんは、9月の文化祭を100周年にふさわしい行事にしたいと意気込む。「ただだらける楽しさではなく、やり切ったと思える楽しさを作りたい」と話し、2年生もクラスの出し物ができるようにしたいという。

 KIさんは6月9日のスポーツ大会で、種目を一本化し、全校生徒が同じ場所で競技や応援を楽しめる案を提案し、可決された。「違う学年と関われる場、学校全体でつながれる場を増やしたい」と期待する。HYさんは個人の挑戦として、小学2年から続けるそろばんで、全国大会18位以上を目標に掲げる。

小学生へ「行きたくなる学校」

 小学生へのメッセージを尋ねると、HYさんは「本当に個性豊かな人が多い。人間関係が苦手な人でもなじめる。ノーチャイムでも時間を守る自覚があり、メリハリがある」と話す。SMさんは「いろんなイベントがあり、毎日通っても飽きない」と魅力を語る。

 KIさんは、音楽の授業に驚いたという。「全員が大きな声で歌う。小学校のころは口パクもしない子がいたのに、この学校は熱気がすごい。一生懸命な人をばかにする人がいない」と目を輝かせる。

 KHさんは「先生と生徒の距離が近い」と話し、ISさんは「ワイワイできる仲間が多く、休み時間も楽しい。行きたくなる学校。先生の個性も強いけれど、授業が楽しく、好奇心を湧かせてくれる」と笑顔で語った。

 次の100年へ。四條畷学園中学校は、地域に育まれた伝統を受け継ぎながら、生徒一人一人の挑戦を支える学びの場を目指している。

▼主な学校見学会

【取材協力】四條畷学園中学校/大東市学園町6-45/電話072(876)2120
ホームページ https://jh.shijonawate-gakuen.ac.jp/

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