上がり続ける飲食店時給 薄利多売の商売は困難に?

上がり続ける飲食店時給

 「一時休業のお知らせ」─。連休前に大手牛丼チェーン「吉野家」の東京にある一部の店舗が臨時休業。飲食業の人手不足が影響した形だ。

 リクルート(本社東京)の調査研究機関「ジョブズリサーチセンター(JBRC)」によると、関西における3月の平均時給は前年同月より23円増え、1114円。特に飲食店などのフード系が47円増の1060円と、同4.6%アップと最も高くなっている。

 フード系の平均時給は増加傾向が続いており、販売・サービス系との差が1年前は69円あったが、今年は27円に縮まった。JBRCの宇佐川邦子センター長によると「切迫した人材不足を背景としたものと考えられ、時給アップの他にも、未経験者歓迎、1日2時間~といった短時間勤務、まかないありといった工夫も一般的になっている」と人材難がうかがえる。

【3大都市圏】フード系 アルバイト・パートの平均時給推移

 日本フードサービス協会によると、昨年の外食市場規模は前年比113.3%とコロナ禍から回復してきている。その一方で、アルバイトの人員不足をどう解消していくかが悩みのタネだ。

 今後、人件費が上がっていく傾向を考えると、従来の薄利多売のビジネスはは困難になる。いかに付加価値をつくり利幅のとれるビジネスモデルに転換できるかがカギかもしれない。