「地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業」の公募開始

[プロフィル]
なにわのみやコンサルティング増田昌代
1972年生まれ。立命館大学大学院経営管理研究科修了(MBA取得)、中小企業診断士。大手IT企業の経営企画室での経験を基盤に、複数業界でのキャリアを構築。東証上場企業の広報IR責任者を経て2024年に独立。データ分析に基づくWEBマーケティング戦略立案と各種補助金活用支援を得意とし、中小企業の持続的成長をサポート。

 日本を訪れる訪日外国人旅行者(インバウンド)の数は、近年、増加傾向にあります。日本政府観光局(JNTO)によると、2025年11月の訪日外国人旅行者数は351万8000人となり、前年同月比で10.4%増加しました。年間累計では、過去最高を記録した24年の実績をすでに上回っています。
 一方で、日本は地震や台風、大雪など、自然災害が多い国でもあります。言葉や地理に不慣れな海外からの旅行者が、旅先で災害に見舞われた場合、迅速な支援が求められます。こうした「もしも」の事態に備え、観光庁は「地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業」を公表しています。
 本補助事業は、訪日外国人旅行者が日本各地を安全・安心に旅行できる環境を整備することで、さらなる地方誘客の促進を図ることを目的としています。
 補助内容は、大きく三つに分かれます。①地域における観光危機管理計画の策定、②観光施設等における避難所機能や多言語対応機能の強化、③医療機関における訪日外国人患者の受入機能の強化です。対象となるのは、地方公共団体、観光施設などを運営する民間事業者、DMO(観光地域づくり法人)、医療機関などです。
 具体的には、訪日外国人旅行者を含む観光客が災害に遭遇した際の対応方針を定める計画策定に要する費用、観光施設等における非常用電源装置や多言語対応AEDの整備、多言語案内表示の充実など、安全・安心確保に向けた環境整備費用が対象となります。さらに、医療機関を受診する際の利便性向上を目的としたキャッシュレス決済の導入や、院内表示・案内の多言語化といった取り組みも補助の対象です。
 本補助事業は、災害や急病といった「もしも」の事態に備え、訪日外国人旅行者の命と安全を守るための、重要な取り組みといえます。これらの支援は、単なるインフラ整備にとどまるものではありません。日本を訪れてくれた人々を温かく迎え入れたいという、日本ならではの「おもてなし」の心を形にした施策といえるでしょう。

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