花咲ゆき美が新曲を披露 ”七色の声”を存分に披露

 若手・中堅の演歌・歌謡曲プロ歌手が出演する実演ステージを安価で聞かせる6月度「大阪発流行歌ライブ」(アメリカ村・ライブハウス「BIGCAT」)のトリに、7月でデビュー18年目を迎える花咲ゆき美が登場。6月発売の新曲「みれんの花」をはじめ、亡くなって30回忌を迎えるテレサ・テンのヒット曲メドレーなど5曲を披露した。

客席を歌いながら回る花咲

 「みれんの花」は切々失恋物の本格演歌。作詞・伊藤美和、作曲はシンガーソング・ライターHANZOと比較的若いコンビの作品だけに花咲はみっちり仕上げてレコーディングに臨んだ。しかし2人からのアドバイスは「大ベテランのような歌い方ではなく、新人歌手がオーディションで歌う気持ちで」と正反対。そこは七色の声を使い分ける花咲だけに指示通り、秋から冬にうつろう季節感も表現しながらガラリと表現を変え初々しく歌い上げ、発売と同時に演歌・歌謡曲週間ランクベスト10入りするスマッシュヒットに。

花咲ゆき美の新作CD「みれんの花」のジャケット

 さらに驚くのは、カップリングの「ジュリジュリ」で、昭和テイストなリズムポップスを同じ作詞・作曲のコンビが制作。今度はアニメ風のかわいい歌声で、夏のジリジリ焼け付く日差しをもじった題名通りにテンポ良くオールディズ風で仕上げた。

 ジャンルの異なる2曲を、タダでさえ声の音域が広い上にリズムだけでなく声質まで変えて歌ってしまうプロの七変化技。「実はCDではジュリジュリのバックコーラス部分で自分の声を別音域でハモらせて使っています」というからどこまでも多彩だ。

終演後のCD販売でファンと語り合う花咲

 曲間のトークはアニメボイスでクルクル変わる豊かな表情で迫るから、聞く方はつい引き込まれてしまう。言葉なまりは生まれ故郷の青森県右半分の南部弁。しかし幼い頃からの育ちは東京の都会っ子。「〝色が決まっていない〟とよく言われるのですが、私は色々な楽曲を頂いてそれを自分で工夫して歌えるのが楽しい」と屈託がない。

アニメボイスでトークの花咲

 好物はカレーで大阪を訪れるとご当地グルメに目もくれずカレー専門店へ。「激辛は苦手。スパイシーな味と香りを生かした野菜カレーが好き。大阪で必ず行くお店もあります」と楽しみな様子。

(畑山 博史)