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今年82歳となる桂文枝がハニーに愛称変更

 毎年7月16日の誕生日になんばグランド花月(NGK) で独演会開いている六代桂文枝が今年の「サニーからハニーへ!」の詳細を説明した。
 題名ともなっている愛称の変更は、アイドル的人気を誇った前名・桂三枝時代にファンから親しみを込めて呼ばれた〝サニー〟を、独演会当日に82歳となる事から年齢をもじって〝ハニー〟と改めるとの宣言。「来年無事に83歳になったらどうなるんでしょうか?…」と笑わせた。

入門当時の思い出を語る文枝

 関西大学落語研究会時代に三代目桂米朝(2015年、89歳で死去)にあこがれたのがプロになる原点。そこで今回は米朝長男で五代目米團治(66)と、米朝一門で〝爆笑王〟の異名を取った二代目枝雀(1999年、59歳で死去)の弟子、三代目南光(73)をゲストに招請。米朝譲りの上方古典落語をたっぷりと披露してもらう事に。

鯉のぼりをデザインしたびょうぶ絵の前で語る文枝

 文枝の当日演目は昭和の最後時期に書いた「生中継・源平」と平成後半の作「Mango」の創作2題。ライフワークにしている創作落語は、現在339本目に取り掛かっており「目指すは100歳で500作。書いた途端にバタリ、というのが理想です」と半分本気のジョーク。

普段の生活振りを語る文枝

 2021年1月に妻・真由美さんと実母・治子さんを相次いで亡くした。身の回りの世話は弟子や孫弟子が日代わりで手伝ってくれるが、子ども達は既に独立しており「どこか良い施設があれば、入居して食事の心配をしなくていいようになればありがたい。同じ年格好の仲間が大勢いるところで、皆で楽しくやれたらいいな、と思う時があります」と、今後の生活プランに言及。

ポスターの前で〝いらっしゃいポーズ〟の文枝

 今回の独演会ポスターには、27歳の三枝と現在の文枝を並べて配置「当時、82歳になっても高座に上がっている自分を想像していたか?」の質問に、入門後すぐに人気者になった経緯を踏まえ「全く想像してなかったですね…。あの頃は日々を生きることに一生懸命。当時はたくさんのテレビ番組を持たせてもらっていたので、寝るのは移動の新幹線の中。2時間少しの睡眠だけが楽しみでした。80歳の姿はおろか10年先のことすら考えていませんでした。もっとも今でも10年後のことは考えていませんがその時は92歳なので、現在93歳の大村崑先生のように頑張っていられればいいなと思います」と胸中を明かした。

上方落語協会の前会長は心身共に健在のようだ。

 (畑山 博史)