ブーム再来!?甘く切ないムード歌謡

40年以上ムード歌謡を歌い続ける浜博也

 「鶴岡雅義と東京ロマンチカ」3代目ボーカルを10数年務めた経歴があるムード歌謡歌手、浜博也(62)が新曲「ヒトリヨガリ」を出した。キャンペーンで大阪を訪れた浜は「ロマンチカのボーカルとしてデビューしてから40年を越えました。ソロに転向後もムード歌謡を歌い続けてきてようやく若い世代にそのよさが再認識されるようになった」とブーム再来に期待を寄せている。

「大阪に来ると演歌を感じて元気に」と張り切る浜博也

 ムード歌謡とは、20世紀後半の日本高度経済成長期に爆発的にヒット。ロス・プリモスやクール・ファイブなどとともに東京ロマンチカの歌声は全国を席巻した。一般の演歌・歌謡曲と異なり、5人前後のグループでリードギターとバックコーラスも自身で務め、曲調は軽やかで甘く切なく、夜のネオン街での男と女の出会いと別れを描いたものが中心。しかし、今世紀に入りニューミュージックが台頭いつしか懐メロのジャンルへと追いやられ忘れられかけていた。演歌・歌謡曲に比べムード歌謡が支持されなくなった背景について浜は「カラオケコンテスト全盛の時代に向かなくなった」と分析。「カラオケ大会で高得点を挙げるには、技量以上に〝印象的でインパクトがある〟というダイナミックな曲調が大事。ムード歌謡はどうしても印象が軽やかになるから点数に反映されにくい」と言う。

浜博也新曲「ヒトリヨガリ」のCDジャケット

 浜の新曲はカップリング「アディオスアミーゴ~また会おう」と共に、鮫島流星の詞に大谷明裕が曲を付けた。「ヒトリヨガリ」が残された女が主人公なら、対する「アディオスアミーゴ~また会おう」は旅立つ男の歌としてセットになっている。浜は「どちらもラテン調でムード歌謡の王道を行き歌いやすい。最近〝演歌第7世代〟の若い歌手も、自分たちが生まれる前に一世を風靡したムード歌謡の魅力に着目して歌ってくれている。1周回ってもう1回ブームがそろそろ来ている」と期待している。

(畑山 博史)