関西出身の人気ロックバンド「ウルフルズ」のボーカリスト・トータス松本(56)が大阪市のなんばグランド花月(NGK)で行われた吉本新喜劇の名脇役、烏川耕一(50)の特別公演「芸能生活31周年記念公演~ひょっとこ大感謝祭2023秋~」にゲスト出演した。
2020年秋から放映のNHK朝の連続テレビ小説「おちょやん」で主人公父親役をトータス、お隣の面倒見の良いおじさん役を烏川が演じた事で意気投合。
烏川が「新喜劇で定番の借金取りのチンピラ役でトータスさんに〝借金大王〟歌ってもろたらオモろい」と考えオファーしたところ、公演当日はトータスが夕方までラジオの仕事で在阪予定でトントン拍子に決定。
開演前のNGK楽屋では、出演者と交歓し写真を撮るなど早くもノリノリ。「子どもの頃見ていた新喜劇の舞台に立てるとは!」と楽しそうで、抽選で来場者プレゼントされた公演ポスターにも丁寧にサインを入れた。
構想通り新米借金取り役で登場したトータスは、全身赤色スーツ姿。おなじみの借金取りリーダー役の吉田裕座長に「ヘイ、兄貴」と受け答えしながら、「借金大王」「ガッツだぜ‼」「明日があるさ」を立て続けに熱唱。会場からは、ライブ会場のようなコブシを突き上げる大歓声が湧き上がった。
途中で先輩の借金取り役、松浦真也の私物ギターを借りて予定外の弾き語りを披露すると、突然ギター弦が切れるハプニングも。恐縮するトータスに松浦が「とんでもない! 我が家の宝物にします」と笑顔で返す一幕も。翌日には東京での仕事が入っており、舞台前半だけの出演でNGKを飛び出し、最終のJR新幹線で帰京する慌ただしさ。
烏川は、「シャレのつもりでダメで元々で直接電話したら、当日なんと大阪でこっちがビックリ。数㌢横にトータスさんの顔がある位置で生歌を聴けて幸せでした」と感激。吉田座長も「僕は〝何、歌とんねん!〟と止めに入る役でしたが、ホントはずっと聞いていたかった!」と本音を吐露。
烏川は、とがった口元やいかつい顔付きから「ひょっとこ、アルファード」などいじられるネタが有名で、普段はツッコミ役のバイプレーヤー。しかし素顔は韓国グルメの調理が得意で、レゲエ音楽やファッションにも精通した多趣味で知られる。
この日も約900席のNGKは老若男女で超満員と根強い人気ぶり。「トータスさんがゲスト、と発表する前にチケットが売り切れ寸前。ウルフルズ後援会のファンには頭を下げて許して頂いた」と内情を披露。
今後について「レゲエ音楽やミュージシャンが好き。35周年か40周年には、関西のミュージシャンと一緒に音楽新喜劇やりたい」と夢を語った。
(畑山博史)