「発掘された日本列島」展 府立弥生文化・近つ飛鳥博物館の2館で同時開催

10月5日から 大阪府では10年ぶり

 大阪府立弥生文化博物館(大阪府和泉市池上町)と大阪府立近つ飛鳥博物館(大阪府南河内郡河南町)は、合同で10月5日から12月8日まで、令和6年度秋季特別展「発掘された日本列島2024」展(中核展)を開催する。同展は今年で30回目という節目の開催で、大阪府では10年ぶり。

 近年発掘調査が行われた中で、特に注目された出土品を中心に展示。今年は北海道や東日本の遺跡を中心に出土した540点もの資料を両館で鑑賞できる。弥生文化博物館では、「我がまちが誇る遺跡」コーナーで北海道今金町を、「新発見考古速報」コーナーでは縄文時代・弥生時代の遺跡を展示している。近つ飛鳥博物館では、「我がまちが誇る遺跡」コーナーで北海道余市町と群馬県藤岡市を、「新発見考古速報」コーナーでは古墳時代~近世の遺跡を展示している。

 主催は、文化庁、大阪府立弥生文化博物館、大阪府立近つ飛鳥博物館、週刊大阪日日新聞社。

「大阪に伝来した龍」(弥生)、「一須賀古墳群と渡来人」(近つ) 地域展も開催

 中核展にあわせて地域展も開催。弥生文化博物館は今年の干支「辰」にちなみ、「大阪に伝来した龍」と題し、古代中国で生み出され、弥生時代に日本列島に伝来した想像上の生き物「龍」をとりあげる。同博物館に隣接する史跡池上曽根遺跡では、「龍」が描かれた弥生時代後期の土器が発見されている。その他にも大阪には、古墳の副葬品や寺の梵鐘、陶磁器の装飾など、様々な「龍」にまつわる考古資料や民俗資料が数多く存在する。大阪府内の考古資料、民俗資料などをもとに「龍」とその源流について考察する。

 近つ飛鳥博物館の地域展は「一須賀古墳群と渡来人」と題し、国史跡指定から30周年を迎えた一須賀古墳群をとりあげる。博物館の周辺に約250基の古墳がある一須賀古墳群や大阪府内の関連する遺跡から、発掘調査で出土したミニチュア炊飯具や金属・ガラス製の装身具など、渡来人に深く関わる資料を紹介する。

龍が描かれた土器(絵画アップ)(池上曽根遺跡出土、大阪府立弥生文化博物館所蔵)
龍が描かれた土器(全景)(池上曽根遺跡出土、大阪府立弥生文化博物館所蔵)
金製垂飾付耳飾り(一須賀B-7号墳出土、大阪府立近つ飛鳥博物館所蔵)
ミニチュア炊飯具(一須賀Q-1号墳、大阪府立近つ飛鳥博物館所蔵)
単龍環頭大刀柄頭(一須賀WA-1号墳、大阪府立近つ飛鳥博物館所蔵)

<各博物館のイベント情報>

■弥生文化博物館(大阪府和泉市池上町)
【関連講演会】
各回共通 会場:1階ホール・サロン
定員:130人(開館時より整理券配布)
参加費:無料(要入館料)

<第1回>
10月5日(土) 13:30~15:30
▼「発掘された日本列島2024」展の見どころ
講師:長 直信氏(文化庁文化財第二課埋蔵文化財部門 文化財調査官)

<第2回 大阪府内遺跡発掘調査報告>
11月9日(土) 13:30~16:00
▼「物部氏の足跡と幻の西京の面影」
講師:藤井淳弘氏(八尾市観光・文化財課 文化財係長)

▼「和泉市 惣ヶ池遺跡―信太山丘陵に築かれた高地性集落―」
講師:上田裕人氏(和泉市教育委員会文化遺産活用課 主任)

▼「立部遺跡・立部古墳群跡―在地豪族の墓地と火葬墓―」
講師:樫木規秀氏(松原市教育委員会文化財課 主任)

<第3回 再葬墓>
11月23日(土・祝) 13:30~16:00
▼「宿尻遺跡―新発見の弥生時代再葬墓遺跡―」
講師:中林香澄氏(常陸大宮市歴史民俗資料館 学芸員)

▼「弥生時代東日本の再葬墓遺跡と遺物」
講師:小林青樹氏(奈良大学文学部 教授)

【地域展「大阪に伝来した龍」関連講演会】
10月12日(土) 13:30~15:30
▼「大阪に渡来した竜」
講師:春成秀爾氏(国立歴史民俗博物館 名誉教授)
会場:1階ホール・サロン
定員:130人(開館時より整理券配付)
参加費:無料(要入館料)

【弥生・近つ<交換>講演会】
11月4日(月・振休)14:00~15:30
▼「一須賀古墳群の被葬者像―近つ博地域展のみどころ―」
講師:久永雅宏(近つ飛鳥博物館 専門学芸員)
会場:1階ホール・サロン
定員:130人(開館時より整理券配付)
参加費:無料(要入館料)

【展示解説】
①10月5日(土)※  ②10月12日(土)  ③10月26日(土)
④11月9日(土) ⑤11月23日(土・祝)  ⑥12月7日(土)
時間:各回とも10:30~11:30( ※①のみ開会式終了後11:30ごろから開始予定)
定員:なし(申込不要)
会場:2階特別展示室
参加費:無料(要入館料)

【開会式】
10月5日(土)11:00~
会期初日に開会式(終了後に展示解説)を実施(一般参加歓迎)。
会場:エントランスホール
参加費:無料(要入館料)

■近つ飛鳥博物館(大阪府南河内郡河南町)
【講演会】
各回共通 場所:近つ飛鳥博物館地階ホール
定員:150人
参加費:無料(要入館料。10時から受付で整理券配布)

<第1回 地域展特集>
10月27日(日) 13:30~15:40
▼「渡来人と移動式カマド」
講師:森本 徹氏(公益財団法人大阪府文化財センター)

▼「一須賀古墳群の渡来系集団-棺と装身具にみる実像-」
講師:平井洸史氏(奈良県立橿原考古学研究所)

<第2回 新発見考古速報特集>
11月10日(日) 13:30~15:40
▼「菅原遺跡の発掘調査について」
講師:村田裕介氏(公益財団法人元興寺文化財研究所)

▼「栗橋宿跡関連遺跡群~よみがえる近世の宿場町~」
講師:村山 卓氏(公益財団法人埼玉県埋蔵文化財調査事業団)

<第3回 我がまちが誇る遺跡特集>
11月30日(土) 13:30~15:40
▼「余市町大川遺跡~北の文化ヒストリー~」
講師:髙橋美鈴氏(余市町教育委員会社会教育課)

▼「モノづくりが繋ぐ交流と信仰―群馬県藤岡市の歴史文化の特性―」
講師:文挾健太郎氏(藤岡市教育委員会文化財保護課)

【土曜講座】
11月23日(土・祝) 14:00~15:00
▼「列島展陳列品を深掘る―中核展示と一須賀古墳群―」
講師:久永雅宏(当館学芸員)
会場:地階ホール
定員:150人(申込不要)
参加費:200円(当日の入館リーフレット、または年間パスポート提示で無料)

【弥生・近つ<交換>講演会】
10月13日(日) 14:00~15:00
▼「大阪に伝来した龍―弥生博地域展のみどころ―」
講師:河原秋桜氏(弥生文化博物館)
会場:地階ホール
定員:150人
参加費:無料(ただし、当日の入館手続きが必要です)

【展示解説】
① 10月5日(土)  ②10月19日(土)  ③11月2日(土) 
④11月3日(日・祝) ⑤11月23日(土・祝)※  ⑥12月1日(日)
時間:14:00~14:30(※⑤のみ土曜講座後15:00から開始)
会場:地階特別展示室
定員:なし(申込不要)
参加費:無料(要入館料)

【現地見学会「史跡指定30周年記念・一須賀古墳群をめぐる」】
11月17日(日) 13:30~16:00
場所:行先・一須賀古墳群内 集合・近つ飛鳥博物館1階ロビー 解散・風土記の丘管理棟
定員:30人
参加費:300円(保険代)
申込:往復はがきによる事前申込が必要。応募多数の場合は抽選。締め切りは11月1日(金)必着。詳しくは、近つ飛鳥博物館のホームページ(https://chikatsu-asuka.jp/)へ。

【列島展2024フォトスポット】
日時:会期中常設
会場:地階ギャラリー
参加費:無料