Spyce Media LLC 代表 岡野 健将
先日、国会でLGBT理解増進法が成立し、日本でもこの分野に関して当事者たちの権利が法律で保護される様になりました。ただ賛成、反対両サイドから不満の声が挙がっており、両者にとって満足のいく結果でない事は明白です。
日本社会がLGBTQに対してどう対処していくか迷走している状態ですが、あなたは個人としてどう対処していこうと思っていますか? 多くの人は「自分には関係ない事だ」と思っているのではないでしょうか?また「よくわからない」と関心を持っていない人も多いかと思います。
私は、これまでの人生の中で何度かゲイの人たちと接点を持つ事があったので、彼ら自身に対して特に偏った考え方などはありません。就職した先の上司がゲイでしたが、仕事をする上で能力的にも態度の上でも何も問題はなく、人としても皆から好かれていましたし、私とも変な感情を持つ事もなく仕事をしていました。
また、ルームシェアで引っ越した先の住人がゲイカップルだったこともありますが、そのときも二人はラブラブでしたが、キッチンやバス、トイレを共有している私がイヤな思いをする様な事はなく、彼らも人としてなんら問題のない人物で、しっかりした仕事にも就いていました。
他にも偶然出会ったり、友人として紹介された人がゲイやレズビアンだったと言う事は何度もありましたが、不都合なことなどはありませんでした。
アメリカではあえて、「彼はゲイだ」と言う様な事は言いませんし、そう言われたからと言って「だから何?」と言う程度でした。一緒にいれば雰囲気や態度で何となくわかるものなので、いちいち誰がどうだ、と気にしたりはしません。
こういう経験があるので、他人が誰とカップルになろうとどんな性嗜好(しこう)であろうと気にする事はありません。ただし、私に迫って来る様な場合は強く抵抗すると思いますが。
もともと日本は同性愛的な事には寛容な社会で、過去の歴史を振り返っても多くの有名人が同性愛者だったと言われていたりします。それに対して同性愛を法律で禁止して犯罪として取り締まっていた西洋社会とは背景がかなり違います。またキリスト教やイスラム教も基本的には同性愛を否定しているので、日本が西洋的に全て法律で規制するのが良いとは思えません。
コロナの時もそうでしたが、「多数派に反論すると袋だたきに合う」という様な議題に関しては、個人がどう思っていても声を挙げることが難しいのが日本。多くの人が疑問を持ち、不安を抱えている議題に対してロクに議論もせず法律を制定して、強制的に世の中の方向性を決めてしまうのはどうかと思います。
実際にLGBTQの人と腰を据えてこの問題に向き合って話をした事のある人はどのくらいいるのでしょう? 専門家ではなく一般人が彼らと向き合って、この問題の難しさを理解し、またLGBTQの人たちもなぜ多くの人たちが反対するのかを考え、お互いが歩み寄って共存出来る道を見つけていくしかないと思います。
だから、皆さんも機会があればぜひ膝を付き合わせて深く話をしてみてください。きっとあなたの知らなかった選択肢がそこにあるはずです。