大阪シティ信用金庫は、2026年1~3月期の大阪府内中小企業の景況調査(回答1250社)をまとめた。それによると、企業の景気実感は2期ぶりに悪化し、回復の動きは足踏み状態となっている。
調査では、企業の状況を示す指標(DI=「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた値)を用いて分析している。数値が高いほど景気が良いと感じている企業が多いことを示す。
まず、モノの売れ行きを示す「販売数量DI」は17・3で、3期連続の悪化となった。物価上昇により消費者の節約志向が強まり、買い控えが広がっていることが背景とみられる。業種別では製造業を除き、多くの分野で売れ行きが落ち込んだ。
販売価格の動向を示す「販売価格DI」は30・4と、2期ぶりに低下した。特に小売業や卸売業、建設業で下げ幅が目立った。価格を上げにくい状況が続いていることがうかがえる。
企業のもうけを示す「収益DI」は7・5で、こちらも2期ぶりに悪化した。売上が伸び悩む一方、コスト増を価格に転嫁しきれていないことが要因とされる。
こうした状況を総合した「総合業況判断DI」は9・0で、前期より0・5ポイント低下した。数値は小幅な上下を繰り返しており、はっきりとした回復局面には至っていない。
一方で、資金繰り(企業の手元資金の余裕)を示す指標は▲7・4(前期比0・1ポイント増)と、わずかながら改善した。ただし依然としてマイナス圏にあり、資金面の厳しさは続いている。
経営上の課題として最も多かったのは「経費増」(35・7%)で、「売上・受注の減少」「競争激化」が続いた。また、人手不足も26・1%に上り、特に運輸や建設で深刻な状況が続いている。
今後については、2026年4~6月期の見通しが10・7と、やや改善する見込み。ただ、原材料価格の上昇や人手不足といった不安要因も多く、先行きは楽観できない。
設備投資(機械や設備への投資)を予定する企業は16・6%(前期比0・7ポイント減)と減少しており、企業が将来に対して慎重姿勢を強めていることも浮き彫りとなった。
また、2027年3月末で廃止される紙の手形・小切手への対応については、「対応完了」が28・8%にとどまり、準備が進んでいない企業も多い。代替手段としては銀行振込が8割超と最も多く、「電子記録債権(でんさい)」も半数以上に広がっている。
