残す? 壊す? 大屋根リング 一部保存案が浮上  民間アイデア公募へ

閉幕後の利活用について検討が続く大阪・関西万博のシンボル、大屋根リング

 2025年大阪・関西万博の象徴「大屋根リング」の利活用をめぐり、吉村洋文大阪府知事は6月4日、会期終了までに保存方針を決定する考えを改めて示した。

 6月3日の会見で府・市が「原形保存を含む活用案を民間から公募する方針」を示したことを受け、吉村知事は「全体の保存は難しいが、一部はレガシーとして現地に残すべき」と述べ、200〜300㍍のカーブ部分の保存案に前向きな姿勢を示した。閉幕後の開発事業者による公募を見据え、解体・部材の再利用も含めた複数案が検討されている。
 23日の万博協会理事会では、管理主体や費用負担の整理案を提示予定で、秋までの方針決定を目指す。
 一方、協会側は6月中の管理者決定を求めており、知事は「拙速は避け、閉幕までに丁寧に議論するべき」と述べた。
 「大屋根リング」は木造建築として世界最大級で、北東部の約200㍍の保存が、現地での体験価値の継承として注目されている。
 建築基準法や管理主体の課題もあり、慎重な検討が続いている。