こども食堂に〝体験〟を届けるという選択。スターバックス流のスマートなクリスマスプレゼントが、大阪府豊中市で実現した。
「誰もが自分の居場所と感じられるような文化を作ること」「地域とのつながりを大切に育む」。スターバックスが大切にしていることは、こども食堂が目指す未来や理念とも重なる。その一致から生まれた取り組みが、今年のクリスマスに形となった。

スターバックスは12月25日、豊中市の社会福祉法人大阪府社会福祉事業団が運営する「原田元町子どもランチ」で、「Be a Santa ドネーションプログラム」を実施した。会場には、サンタクロースの装いをした近隣店舗のパートナー(従業員)が訪問。子どもたちと一緒に、スターバックスのドリンクをつくるバリスタ体験や、コーヒーかすの抽出液を使ったクリスマスカード作りなどのワークショップを行った。最後には、一人ひとりにホリデーギフトが手渡され、会場は終始、あたたかな雰囲気に包まれた。

この取り組みで印象的なのは、支援の〝距離感〟だ。物資や資金を一方的に届けるだけではなく、企業の人間が地域に入り、子どもたちや地域の方々と同じ目線で時間を共有する。前に出すぎることなく、しかし確かに場を和ませる姿勢は、スターバックスが大切にしてきた〝誰もが自分の居場所と感じられるような文化〟を、そのまま地域に持ち込んだかのようでもある。

背景には、こども食堂を取り巻く環境の変化がある。その数は年々増え、現在では食事提供の場にとどまらず、子どもや保護者、高齢者が自然に集う多世代交流の拠点として機能している。中には、災害時の炊き出しを想定した〝地域の備え〟としての役割を担うケースもあり、社会的意義は広がりを見せている。
スターバックスは、こうしたこども食堂の活動に早くから共感し、2022年から本プログラムを継続してきた。スターバックス®リワード会員からのポイントによる寄付と売上の一部を活用し、昨年度は全国47都道府県728か所のこども食堂で、約4万4000人の子どもたちにホリデーギフトを届けたという。数字以上に重視してきたのは、地域と顔の見える関係を築くことだ。
特別な演出で注目を集めるのではなく、子どもたち、そして地域住民の記憶にそっと残る時間を丁寧につくる。こども食堂を「支援の対象」とするのではなく、「一緒に場をつくるパートナー」として向き合う。そのスマートな関わり方こそが、スターバックスらしさといえそうだ
