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【大阪関西万博】アートも歴史も技術もスゴい、イタリアパビリオン

 いつ行ってもパビリオンの前は長蛇の列で人が溢(あふ)れ返っているイタリアパビリオン。館内に入ってみると、イタリアらしいオシャレでシュッとしたイメージにぴったりの内装や演出で、自慢の歴史やアート作品、科学力など魅力的なポイントが多数用意されていた。

 コロッセオを形どった扇形の建物の前のスペースはポルティコと呼ばれ、展示物が置かれている。これは毎週交代でイタリアの各州がホストとなって自州をPRするのだが、その一環としてこの日は、その週のホストだったカラブリア州の伝統工芸やアート作品が展示されていた。

 館内に入るとコロッセオの半円形の形の裏が劇場になっていて、段々になったスペースに座ってイタリア紹介ビデオを鑑賞。3分弱にまとめられたものでイタリアの魅力を端的に伝えていた。

 100人前後が一つのグループになってビデオを見ていたので、終わると皆が一斉に動き出し、まずはファルネーゼのアトラス像を目指した。そのため、ここは慌てず、最初にそれ以外の部分を見て回ることをオススメ。暫くするとファルネーゼのアトラス像の前から人がいなくなるので、そのタイミングを狙ってパチリ!

 両サイドに巨大なLEDスクリーンがあったり、天井から飛行機の模型が吊るされていたり、アート作品がいくつも置かれていたり、と見るものがたくさんあるのでじっくり、ゆっくりイタリアを楽しめる。

 次に向かうのはカラヴァッジョの名作『キリストの埋葬』が展示されているスペースだが、実はここはバチカンパビリオン。

 館内を進んでいくとホスト州のPRをするスペースがあり、その奥には技術立国イタリアが誇る優れた特許によって製造された製品を展示したスペースが登場。近未来的な製品が多いのが特徴で、一つずつ見ていくとなかなか楽しめる。

 最後に拝観するのはレオナルド・ダ・ヴィンチの直筆スケッチ。ショーケースに入っている2点を見ることができるが、列に並んで順番にみていくので、じっくり眺めて、という風には行かない。写真は一人1枚まで、という制限付き。

 この後は、エレベーターで3階へ移動し、屋上ガーデンへ。大屋根リングから見えるイタリア館の屋上には、彫刻、噴水、芸術家と技術者によってデザインされた緑地などで彩られたイタリア式庭園があり、レストラン「イータリー」でイタリア産の飲み物や食事を楽しみながら、和やかなひとときを過ごすことができるようになっている。

 イータリーでは、イタリア館に週替わりで出展する18の州とのコラボレーションにより、郷土料理の生物多様性と特殊性を高める美食のストーリーテリングを通じて、さまざまな料理の伝統を味わうことができる。

 私が行った日は最高3時間以上の待ち時間が出ていたが、館内は特に混み合っている様子はなく、ゆったり見て回れた。多くの人は写真を取って移動していくので結構早く回れる。ただここも奥深いテーマやメッセージが内包されているので、一つ一つの展示作品に込められたモノを読み取っていくと1時間以上はかかる。

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