建物の真ん中上部に大きな球体があるオランダパビリオン。
入り口は大きなオープンスペースになっていて、その真ん中には円形のオブジェがあり、水が張ってある。
眺めていると音が聞こえてきたかと思うと、それに合わせて水面が波立っていき、さまざまな波形を創り出す。
これは音の振動を利用して水に波紋を表現するアート作品であり、音と水の調和の形の一つ。また水との共生の表現の一つでもある。じーっと眺めていると心が落ち着いてくる。
国土の約4分の1が海抜0メートル以下のオランダでは、その歴史は水との関係をどう築くかだった。
水との共生を達成した今、オランダは水に関してさまざまな経験や知識があるのでそれを世界の人たちと共有していこうというのがオランダパビリオンだ。
スタートする前に左側を見ると同館のテーマやコンセプトを紹介するボードがある。
その中にミッフィーがいる。
そしてミッフィーの横には子どもも理解でき、楽しめるように内容を簡単にしたコメントがあり、子どもたちは随所に登場するミッフィーを追いかけることで、大人たちと一緒に学んでいける工夫がされている。
パビリオンを巡る人は、最初にオーブというボールを受け取り、そのオーブにエネルギーをチャージしたら出発。
真ん中の黒っぽいポイントにオーブでタッチしてエネルギー補充。
右手の緩やかな坂道を登っていき、最初にオランダの水との戦いを紹介する壁に進んでいき、次は水の利用、最後は水との共生について紹介する壁、と進んでいく。


途中、球体のそばを通っていく

各壁でオーブを壁にあるポイントに接すると壁に埋め込まれたポイントに光が灯る。水との共生の場面では、5人が一斉にポイントに接することで、最も大きなエネルギーを注入できるので、周りの人との協力が必要になっている。
ここまでオランダと水の関係、水との共生について学んできたところで、次のステージへ。
プラネタリウムを彷彿させる半球体のスクリーンがあるスペースへ入って、席に座ると、上部の空間一面に映像が展開される。
平面で見るのと違い、円球形なので立体感を感じる映像になっていて、水と私たちの関係、地球が抱えている課題、それにどう対処するか、ということを端的に現した映像が次々と現れる。
これで終わりではない。
隣の部屋に移動すると、今度はこれまで学んできたことを踏まえて、あなたなら水を使って世の中をよりよくするどんな未来の技術に賛同し、応援するか、を問われる。
壁には水を使った再生可能エネルギーや交通、農業などの事例が飾られているので、その中から気に入ったものを見つけ、そこにオーブのエネルギーを注入する。
最後は、この空間の奥にあるコモングラウンドという場所にオーブを持って立つ。
コモングラウンドは皆で力を合わせて協力すれば課題や問題は解決できる、というメッセージを共有する場。一人で立つとオーブは白く光り、向かいにある大きなガラスの反対側にあるパワースポットという空間が光りだす。
しかし複数でコモングラウンドに立つと、それぞれのオーブが点滅し、最初はバラバラに点滅していたオーブが最終的にはシンクロして同時に光るようになる。それに合わせてパワースポットの光もカラフルさや明るさが増し、虹色になって大きなエネルギーを発している状態になるのだ。
こうやって皆で協力するということを体感できるのがコモングラウンドだ。
階段で1階に降りてきてオーブを返却すると、ギフトショップ&カフェが出迎えてくれる。降りる際に階段が難しい人にはエレベーターも設置されているので、ベビーカーや車椅子の人などでも安心だ。
ショップ&カフェでは、オランダ名物のストロープワッフルや、同店限定のミッフィーのぬいぐるみ、今回のために開発した香水、有名デザイナーがデザインしたエコバッグなどがある。
ショップを出る際は、ミッフィーがお見送りしてくれる。
オランダパビリオンは夜になると照明でライトアップされる。パビリオンスタッフ曰く、「会場内で一番美しい建物」とのこと。