生まれ変わった伝統校 医療職などのキャリア教育に注力

共学化、新校舎、衛生看護科を新設

 女子校として100年以上の歴史がある明浄学院高等学校(大阪市阿倍野区)が昨年4月、男女共学校に生まれ変わった。医療系大学を中心に運営する学校法人藍野大学(本部・茨木市)の設置校として、医療職などのキャリア教育に力を入れる同校の新たな挑戦を取材した。(森陽一)

最短5年で正看護師に

 超高齢化と医療の高度化に伴い、ニーズが高まる医療職。質の高い看護教育で伝統のある藍野高等学校と一体となった「衛生看護科」を昨年4月に新設。府内で唯一、高校3年間で准看護師の資格を取ることができる。さらに、今年4月に同校の敷地内に移転する、藍野大学短期大学部看護学科2年課程に進学すれば、最短5年で正看護師を目指すことができる。

 グループ病院である藍野病院・藍野花園病院と連携し、現役の看護師による直接指導など、充実した実習を行う。

プロによる授業で普通科も充実

辻調理師専門学校の協力のもとで調理・製菓を学ぶ「クッキング専攻」

 「看護師以外の医療職も目指したい」という生徒には普通科の看護メディカルコースがおすすめ。藍野大、びわこリハビリテーション専門職大、藍野大学短期大学部看護学科3年課程の入学金免除制度や内部進学枠を確保。

 看護師のほか、理学療法士や作業療法士、臨床工学技士など医療職全般に関する知見を深め、高校3年間で自らの適性を知ることができる。

 普通科の総合キャリアコースは各分野のプロによる体験型の授業を展開。クッキング専攻は辻調理師専門学校、ファッション・メイクアップ専攻は上田安子服飾専門学校と連携し、バラエティー豊かなキャリア教育を実践する。

学び舎も一新

 昨年4月には「心に寄り添い、志を育む母校」をコンセプトにした新校舎が誕生。20台のベッドを配置し、医療現場に近い雰囲気で実践力を磨く看護実習室も完備。さらに、藍野大学短期大学部が隣接地に移転することで、同校では、「阿倍野・文の里をナースアイランドに」と意気込む。

2024年春に新校舎が竣工。冷暖房完備の体育館も新設された

全国レベルの吹奏楽部

 同校と言えばコンサートとマーチングで全国レベルの実績を誇る吹奏楽部が有名だ。大阪音楽大特任准教授の小野川昭博氏を特別顧問・総監督に迎え、各パートにも高いレベルの指導者をそろえる。

 同校の渡邊雅彦校長は「明浄学院高と藍野高が一つになり、新たな歴史がスタートした。多彩な夢や目標を持った生徒が集まり、新しい風を吹かせてほしい」とアピールしている。

共学になり、制服も一新。開校以来変わらないセーラー服に加え、ブレザースタイルが仲間入り