逆さ吊り、足の甲に五寸釘を打たれ、ロウソクに火…。本当にあった拷問部屋

 京都では9月30日まで、結成160年を迎える新選組に合わせ「新選組ゆかりの地」と「夏に訪ねたい世界遺産の社寺」をテーマに9箇所をめぐる「第48回 京の夏の旅」を開催している。

 その中でも注目を集めているのは旧前川邸「東の蔵」。ここは幕末を舞台にしたドラマやアニメで登場する有名なシーンの一つ、〝鬼の副長〟として恐れられた土方歳三が古高俊太郎(攘夷派の志士)に拷問を行った場所だ。

 1864年6月5日の早朝、新選組に踏み込まれ邸宅から具足、弓矢、槍、長刀、火薬などが見つかった枡屋喜右衛門(古高俊太郎)は厳しい取り調べを受け、次第に過酷な拷問に発展していったという。その内容というのが、2階から逆さ吊りにされ、足の甲に五寸釘を打たれ、その釘にロウソクを立て、火をつけられるというもの。

 拷問の結果、自白した内容は、御所に火を放ち、佐幕派公卿の中川宮を幽閉、京都守護職の松平容保のほか佐幕派大名を殺害し、天皇を長州へ連れ去ろうとするものだったとか。そして、この計画を阻止したのが池田屋事件とされている。一方では、自白には応じていないとする説もある。過酷な拷問を受け口にしたのは「古高俊太郎である」という言葉だけだったという説がある。

 料金は大人800円、小学生400円。営業時間は午前10時~午後4時半(同4時受付終了)。

 旧前川邸「東の蔵」の初公開は残りわずか。一度見逃すと次はいつ見られるか分からない貴重なスポット。この機会にぜひ足を運んでみては。

<取材協力>旧前川邸/京都市中京区壬生賀陽御所町49/電話075(585)518(京の夏の旅コールセンター)