昭和の名曲を完璧に歌い上げることから〝懐メロボーイ〟として知られる演歌歌手、三丘翔太(31)が来年区切りのデビュー10年目を迎え10作目「ゆうなぎの唄」を出した。売り物のきれいな中高音をあえて抑え低音部が続き小学校唱歌を思わす難しい構成。カップリングは三丘自身が好きで力を入れている明るいムード歌謡の味付けをした第2弾「困るのよ」との組み合わせ。「これまでになかった僕の新たな面を」と自信を深めている。
NHK「新・BS日本のうた」で演歌歌手、川野夏美(44)と共に〝懐メロボーイ・懐メロガール〟として活動している。戦前から戦後間もない時期の美しいメロディー再現は、音域の広さと確かな音程を持つこの2人には打って付けの役回り。聞き覚えのある懐かしい曲はもちろん、現代では知る人が少ない幻の名曲まで2人ならたちどころに再現してしまうコンビだ。
そんな三丘の新曲は恩師の水森英夫が作曲、三丘はレッスン段階で「森繁(久弥)先生の『知床旅情』の歌い方を参考に淡々と…」と悟り実行。それでも低音が続く困難な構成のためマネジャーが「半音上げては?」と提案。無事にレコーディングを終えた。
所属するテイチクエンタテインメントが創立90周年を記念したコンサート「テイチクアワー~こころのこだま~」を来年2月11日に東京で徳光和夫の司会で開催するが、川中美幸や天童よしみ、前川清、山本譲二らおなじみのスターに交じって三丘も出演歌手の一員に加えられた。「自分の歌はもちろんですが、テイチク90年の歴史で素晴らしい楽曲がたくさんある。ぜひ先輩方の歌を皆さんに紹介したい」と意欲十分。
「今年はコロナ禍から完全復調した年。来年はもう1回ライブ感を大事にしていきたい。ギターやピアノの生演奏をバックに歌うライブ、ファンクラブとバスツアーに出かけ車内でガイドさんのマイクを借りて歌ったりといろいろな形で楽しんで頂きたい」と心は早くも新年に。
(畑山 博史)