演歌、ムード歌謡の歌手として女性に絶大な人気を誇る竹島宏(46)が、大阪・新歌舞伎座では初となる単独公演「夢の世界へお連れします~2025」を開催。満員のファンを前に「どんな時もずっと僕の歌の道を共に歩いてきて下さった皆さまが今日このステージに導いて下さいました。来年のデビュー25周年へ向けさらにステップアップしに、そしてこの新歌舞伎座に戻ってくることが出来るように一生懸命頑張ります」と感謝の言葉を述べた。

公演では新たな趣向としてバラ、桜、キンモクセイの香りが順に客席を包み、それに合わせオープニングから「バラ色の人生」「君は永遠の薔薇だから」など3曲連続でバラにまつわる楽曲を歌った。新たなヒーリングへの挑戦で、新歌舞伎座がコロナ禍の際に換気のために場内空調を改修した事から実現。こうしたフレグランスコンサートの実施は同座では初で、担当者は「前の花の香りが残らないよう、短時間で換気できる」という。

フィナーレには〝ヨーロッパ三部作〟として「プラハの橋」(2021年)「一枚の切符」(22年)「サンタマリアの鐘」(23年)に対し受賞した23年度日本レコード大賞企画賞をモチーフにし、今年1月に庄野真代、宍戸開らと共演して絶賛されたミュージカル「プラハの橋」の構成を変えた歌物語を約30分展開、観客を魅了。竹島は「新歌舞伎座は3階席まであってまるでヨーロッパのオペラハウスの様に舞台に迫ってくる。全てを出し切れる夢の舞台」と感激の面持ち。

アンコールでは西郷輝彦(22年、75歳で死去)が歌い、1996年から3年がかりで100万枚近い大ヒットとなった「星のフラメンコ」を歌唱。竹島は「この曲は西郷先輩の力強い魅力が詰まっているだけでなくフラメンコの手拍子が素敵です」と笑顔に。ミュージカルからナツメロまで幅広いレパートリーを全て出し切った。

最後にはファンへのサプライズとして6月11日新曲発売が決まった事を報告。既に完成している予告チラシには「作詞・松井五郎、作曲・幸耕平、編曲・坂本昌之」と昨夏発売の最新曲「ハルジオンの花言葉」と同じ制作トリオの名だけを記載。「前作は花で今回のテーマは鳥。松井先生の歌詞は聴く方の想像をかき立てる内容でゾクゾク。でもこのチラシはまるで夏の参院選に出馬するみたいね」と夏の新曲公開が待ち遠しい様子。
(畑山博史)