採点カラオケで100点満点を連発した元天才少女—。
昨秋に「約束岬」でメジャーデビューした演歌・歌謡曲歌手の佐々木麻衣(22)がこのほど、プロ歌手になって初めて大阪を訪れ「2024チャリティー笑顔でつなぐコンサート」に出演。オリジナルの新曲以外に、自分が生まれる前の八代亜紀、小柳ルミ子、梓みちよなど女性昭和ヒット歌謡を次々と熱唱し、聴く人を驚かせた。
テレビ東京のコンテスト番組「THEカラオケ★バトル」にわずか12歳で初出場し100点満点でいきなり初優勝。同番組では18歳以下の殿堂入りに値する「U―18四天王」の1人として別格扱いになった。
気負う様子もなく「カラオケで100点出した曲は100曲ぐらいある」と話す。母がカラオケ好きで2歳半の時に見よう見まねで初めて歌ったのはムード歌謡「好きですサッポロ」(1981年、森雄二とサザンクロス)だというから驚きだ。天性の音感があり、採点カラオケの画面表示を見れば音程を外さずに歌うのを苦にしない才能を持つ。お店でカラオケを歌うと母が褒めてくれて大好きな焼き鳥をたくさん食べさせてもらうのがうれしくてメキメキ上達した。
彼女が歌うと、どの曲も個性がなくスムーズ過ぎて少し戸惑う。「私、わざと採点カラオケで100点出せる音程を外さない歌い方してるんです。実際のプロ歌手の方は自分の持ち歌を採点カラオケで歌われても意外に高得点が出ない事もある。歌い継がれているうちに少しずつ独自のアレンジが加わるからです。私はその部分を音符に添って正確に歌っていますから」とキッパリ。
「約束岬」は等身大女性が主人公のラブソング。これもわざと味わい部分を抑え歌っている。「100点出すのはゲーム感覚。その分味わいがないです。まず基本のメロディをしっかり抑え、少しずつ自分の味を出していきたい」と屈託がない。
デビュー当時は振り袖の衣装だったが、半年経って衣装はオール洋服に。「だって着物を独りで着られないんです。移動の時に持ち物増えるし、忘れ物するし。第一、着物はギュッと締められて歌う時苦しい。ずっと着物で演歌の方ってすごい、と感心しています」と正直。
趣味はメイクと相撲観戦。「まつげが長くて多いんです。それを生かすために目のお化粧を考えるのが好き。歌う時は小学六年生ぐらいからちょっと化粧してました」と話す。相撲好きは祖母の影響で、「テレビの大相撲中継が始まると、ずっとおばあちゃんと一緒にコタツで見ていました。稀勢の里(元横綱、現・二所ノ関親方)関のファン。引退されてからは、性格的に熱くなり過ぎるのでオシ力士は作らないようにしてます」と説明。かわいい笑顔の中に、負けず嫌いな一面をチラリとのぞかせた。
(畑山博史)