【なぜ大事?足の健康①】人生100年時代。健康な人の共通点は2つある

(柔道整復師・鍼灸師 前田直樹)

 「人生100年時代」に大切なことは、健康で自立した生活を続けられることです。そのために必要なのは〝自分の足で歩ける〟こと。治療院では「100歳まで歩ける方を一人でも増やしたい」という思いで、これまで8万人以上の患者様の足と体を診てきました。そこで気づいたのは、健康な人には共通点があるということです。

「人生100年時代」に大切なことは、健康で自立した生活を続けられること

カギは「人生の目的を持つ」こと

 患者様には効果が出る人と出にくい人がいます。その差は何なのか? を考えて、分かったことは「生きたい未来」があるかないかということです。

 みなさんは誰のために、なぜ長生きしますか?

 生きる目的があると健康意識が高まり、日々の生活にハリが出ます。そのために「歩く力」を維持し、足の健康を意識した生活を送ることが重要です。

人生の目的が健康維持を支える

 「長生きする人生の目的」は人それぞれ。家族や孫と長く過ごしたい、成長を見守りたいという願いは大きな生きがいです。家族や孫との時間を楽しむために「歩ける足」を保ちたいという気持ちが、日々の健康管理を後押ししてくれます。

 また、趣味や旅行など「自分のため」に長生きを望むことも、健康維持への強い動機づけになります。

 さらに、ボランティアや地域活動などで社会貢献を続けたいという思いも、充実感とともに健康を支える力になります。

 「誰のために」「なぜ長生きしたいのか」—。明確な目的があると、積極的に健康維持に取り組むようになります。

健康は足から

 人生の目的を実現したい。そこで最も重要になるのは「足からの健康」です。足の寿命は50~60年で、内臓よりも先に寿命が来ると言われます。年齢を重ねると足腰の筋力が衰え、活動範囲が狭くなり、日常生活に支障をきたすようになります。特に「転倒」は高齢者にとって大きなリスクにもなります。

>>健康寿命を延ばすカギは「足」 50歳が生涯歩ける足の分かれ道?

日々の習慣で足腰の健康を保つ

 まずは毎日15〜30分のウォーキングを習慣にしましょう。足腰の筋力が維持されるだけでなく、血行が良くなり、心肺機能も高まります。歩いているときはほとんどが片足。バランス感覚を養い、転倒予防に役立ちます。さらにバランス感覚を養うには、片足立ちや簡単なヨガを取り入れてもいいでしょう。

 加えて靴選びも重要です。足に合わない靴はひざや腰に負担をかけ、歩く意欲をそいでしまいます。クッション性や安定感があり、滑りにくい靴を選び、目的に合った靴を定期的に見直していくことが大切です。

>>「100歳まで歩ける靴」を研究 WALK鍼灸整骨院の前田直樹総院長

人生の目的と足の健康がもたらす相乗効果

 「人生の目的」を持てば、ストレス耐性や免疫力の向上につながることが研究でも示されています。心身ともに充実した毎日を送ることが、結果として長く歩き続ける力を培います。

 100歳まで自分の足で歩き続けるにも「長生きする人生の目的」を持ち、それを支える「足からの健康」を意識しましょう。一度しかない人生、晩年まで楽しく幸せな日々を過ごしませんか。

足袋型のシューズを開発した前田さん

前田直樹(まえだなおき)プロフィル 柔道整復師・鍼灸師・シューフィッターで、大阪市内に3院を展開するWALK鍼灸整骨院の総院長。「100歳まで歩ける足」をテーマに地域住民の健康づくりを支えている。院で治療しても患者が再び体を悪くして来院するのはなぜかに疑問を持ち、原因は靴にあると行き着く。このため、治療院を運営する傍ら、歩きながら治療効果も期待できる足袋型のシューズを開発。普及に努めている。