コミュニケーションライター/黄本恵子
コミュニケーションは、相手の発する言葉以外に注目することがとても大切です。本音は『視線』や『体の動き』の方に表れることが多いからです。
視線や体の動きで、相手の感情や状態を読み取る方法をお伝えします。
視線解析
なにか質問をしたとき、相手の目が左上に向いた場合は、脳は『記憶の映像』にアクセスしていると言われています。つまり、過去のことを思い出そうとしている状態です。
一方、目が右上に向いた場合は、脳は『未来の映像』にアクセスしている、あるいは『創造』している状態です。
つまり〝ウソを言っている可能性がある〟ということです。
視線が左横を向く場合は、過去に聞いた音声を思い出そうとしています。一方、右横に向く場合は、音を創造をしようとしています。
視線が左下にいく場合は、心の中で物事を理論的に整理し、思考していることが多いです。
右下の場合は、「寒い」「しんどい」など体の感覚が強くなっている場合や、「悲しい」「腹が立つ」など感情的になっていることが多いです。
視線解析の注意点
この視線解析は基本的に右利きの人を前提としており、左利きの人は左右逆になります。
また、これはあくまで一般的な傾向であって、必ずしも全員に当てはまるものではありません。
なので、一番いいのは、相手をよく観察し、『視線のクセ』を確認すること。
「昨日、何食べた?」など過去を思い出させる質問をしたとき、相手の視線はどこへ向かうでしょうか?
もし、目が右上に向かうなら、相手は過去のことを思い出すときは目線が右上に向かうクセがある、ということです。
一方、「私の頭がアフロヘアーになったら、どう?」など、想像力を働かせないと答えられないような質問をしたとき、目が左上に向かうなら、相手がウソを言うときは視線が左上に動く傾向がある、と捉えることができます。
足や腕を組む
足組みや腕組みは、拒絶・拒否のサインです。
単なるクセの場合もありますが、あなたと話している最中に足組みや腕組みをした場合は、「あなたの話は受け入れられない」「その話はしたくない」という無意識のメッセージの可能性があります。
セルフタッチが多い
自分で自分の体や顔をさわるセルフタッチ。これは、人が自分の心を落ち着けるために無意識に行う仕草です。
なので、相手が会話の最中、よく自分をさわるときは、緊張している、あるいは、話の内容に拒否反応が出ているサインかもしれません。
ちなみに、ウソをついているときには、鼻をこすったり、口元など顔周りをさわる動作が多くなると言われています。
手や手のひらが見えない
手の動きは、相手のリラックス度を表します。手を机の下などにおいてあまり見せてくれない場合は、まだ打ち解けていないサインかもしれません。
また、手は見えても、握り拳を作っていたり、指をがっちり組むなどして手のひらをまったく見せてくれない場合も、同様です。
一方、手のひらをよく見せてくれている場合は、リラックスしていて、あなたに打ち解けているサインです。
相手の話は、「耳」だけでなく「目」でも聞くこと。ぜひ意識してみてくださいね。
黄本恵子(きもと けいこ)
大阪市出身。1980年生まれ。関西大学社会学部卒業。心理学について学びを深め、人間関係に悩む人々のカウンセリング業務に従事。その経験を活かし、家族間や男女間のコミュニケーションについての記事を大手WEBマガジンにて執筆。ビジネス書の編集・執筆協力にも多数携わる。米国NLP協会認定 NLPマスタープラクティショナー。
〈メディア出演〉ニュース番組『新・情報7daysニュースキャスター』に出演。「高齢者の親に免許返納を促す伝え方」についての記事が反響を呼び、取材を受ける。朝の情報番組『ビビット』に出演。「2歳児ができること」について紹介した記事が取り上げられる。