私はもともと不動産投資に興味があった訳ではない。たまたま数年前から空き家になっていた実家をどうするか、の問題が出てきたとき、色々と調べている中で「築古物件をリフォームして賃貸する」という話に行き着いた。私が体験した不動産投資のありのままを読者にお伝えする。
相続した実家の問題がきっかけ
ネットやYouTubeで情報を検索
多くの人が抱えているであろう実家の空家問題。相続税や固定資産税、維持費など悩ましい問題ばかり…。この課題を解決するため、私はインターネットでさまざまな情報を検索したり、YouTubeで専門家の動画を見たりしていたとき、築古物件を自らDIYでリフォームし、賃貸して利益を出している人たちがいることを知った。
いろんな人の動画を見て、どんな物件なのか、どうやってリフォームしているのか、本当に儲かるのか、などの疑問の答えを探した。
私の場合、ここまでの期間は4カ月くらいだったと記憶している。人によっては何年も時間をかけて調べ続ける人もいるので自分のタイミングで動き出せば良いと思う。
たくさんの動画の中で、比較的近くで築古物件を所有している大家さんがいたため、YouTube経由で連絡を取り、話を聞かせてもらうことにした。
大家同士の会で先輩たちに学ぶ
その大家さんとの話はとても有意義で、リアルな数字やトラブル例などまで聞くことができた。
さらに、他にもたくさんの大家さんがいて、あちらこちらに〝大家さんの会〟があることも教えてくれた。「そこに参加すれば知り合いも増え、より多くの話が聞けたり、実際にリフォームの現場に手伝いに行くことで、どんなものかも体験できる」とアドバイスしてくれた。
有料、無料を問わず、多くの会が存在するが、「たとえ無料でも有意義な会は多く、いろいろと顔を出して自分に合うところを見つければ良い」とのことだ。
一通りの話を聞いた後、大家が実際に所有する築古物件を見せてもらうことに。建物を指さしながら建物の傷み具合いとどうリフォームするか、費用や日数、どこをDIYできて、どこを業者に依頼するか、などかなり具体的に説明してもらった。
この日はリフォーム前の物件、リフォーム中の物件、リフォームを終え入居者を募集している物件の3つを見せてもらい、たった1日だが、かなり勉強になった。
この出会いがあったおかげで、私は「教えてくれる人もいるし、手伝ってくれる人もいる。仕事とのバランスも取れるし、自分にもできそうだ」と考えるようになり、実際に築古物件を探し始めた。
自分に合った物件の選定と支払い方法
私は会社員ではないので、基本的に物件は現金での購入になる。つまり、リフォーム費用も含めて購入できる物件は手頃なものに限られる。
ちなみに会社員なら、ある程度簡単にローンが組める。物件費用にリフォーム代も含めたオーバーローンを組めば、手持ち資金を使わずに物件を購入できる。 さらに計画したのは、1軒で終わらず、複数の物件を所有し、家賃収入だけで生活ができる程度にまではしたいということだった。
そして、最初の大家さんからまた、別の大家さんを紹介してもらい、ベテランの話や、ちょうど1軒目を購入したばかりの新米まで、いろいろな大家さんから話を聞きつつ、実際のリフォーム現場にも足を運んだ。
物件を見せてもらう代わりに荷物運びを手伝ったり、ペンキを塗る手伝いをしたりしながら、私ならどうリフォームする、どこをリフォームする、どこまでリフォームするなどをシミュレーションしていった。
外的要因などを入念に確認し購入
この頃になると私の中で、〝物件買いたい病〟が顔を出し、「今すぐにでも自分の物件がほしい」と思うように。他の大家さんも同じように感じた時期があったそうだ。この症状が出ると〝購入のGOサイン〟。ただし、焦ってハズレをつかまないよう、じっくり検討して最終判断を下す冷静さも大切だ。
物件を購入するときに確認するべきポイントは、①賃貸需要がある場所か②どんなエリアか③駅からの距離④スーパーは近くにあるか⑤近隣の駐車場の有無─などの外的要因と、 これらの項目をクリアして気に入った物件があれば買い付けを入れたい。私もそんな物件に巡り会ったからだ。
【岡野健将プロフィル】
Spyce Media LLC代表。米ニューヨーク州立大学ビンガムトン校卒業。経営学専攻。ニューヨーク市で起業し、上場企業やベンチャー企業などに対して米国の市場調査やマーケティング、企業の戦略分析を行う。トップビジネスパーソンやベンチャーキャピタリスト、起業家、企業経営者などをインタビュー取材。最新ビジネス情報を集めたビジネスニュースレターを発行。中小企業同友会や商工会議所、民間企業にてビジネスや起業に関するセミナー講師を担当。経営歴20年以上。