稼ぐ前にまず「守る」 一人社長で年商5億円の中城裕貴さんが大富豪から学んだ「本当のお金の守り方」

 かつて「一億総中流」と言われた日本だが、家計を取り巻く環境は大きく変わった。物価高に加え、住宅ローン金利の上昇などが庶民の暮らしに重くのしかかる。

 「お金を増やすことばかりに目が向いてしまうが、先に守る土台をつくることが大事」と訴えるのは一人社長ながら年商約5億円を上げるアマブン(大阪府松原市)の代表、中城裕貴さん。SNSの広がりで小手先の節約術や節税術がまん延する中、正しい金融知識を持ってもらおうと、10月14日に2冊目の著書「誰も教えてくれなかった 本当のお金の守り方」(あさ出版)を発売する。

10月14日発売の「本当のお金の守り方」

 もともと平凡な会社員だった中城さんだが、資産4000億円という大富豪に学び、年商5億円の経営者になった。NISAや投資、副業など「お金を増やすための情報」であふれる中、大富豪から学び、自ら実践してきた資産構築の考え方をセミナーやメルマガ、動画などで発信しており、メルマガ読者は6万人を超えるという。

 新たに出版する著書は、税金や保険、支払い方の仕組みを生かして手取り収入を守る実践的な解説書だ。

 「昔の私と同じように、多くの人は穴の開いたバケツに一生懸命、水を注いでいるようなもの。増やすテクニックよりも先に、守る意識こそが最も重要なんです」

「守る」「稼ぐ」「活かす」

 中城さんが繰り返すのは、「守る」の次に「稼ぐ」、最後に「活かす」の順番だ。

 「せっかく収入を増やしても、出ていくお金に無頓着なら増やせない。反対に、守ることばかりに必死になり、将来につながるお金まで使わなくなれば、それも目的とは違う。だからこそ順番が大切」という。

稼いでも残らない現実

 もっとも中城さん自身、最初からこの考え方だったわけではない。

 システムエンジニアとしての会社員時代には、携帯電話がまだ〝ガラケー〟だった時の端末のプログラムや、阪神高速のETCシステム、大手通信会社の顧客管理システム(CRM)など、最先端の開発に携わってきた。

 転機は結婚だった。当時、妻から「子どもは3人ほしい」と聞き、「今の収入では難しい」と独立を決意。インターネット事業を始めたが収入が思うように上がらず、生活に行き詰まった。

「稼ぐよりも守るが先」と話す中城さん

 中城さんは、以前の勤務先の先輩に「仕事を紹介してください」と頼み、フリーのシステムエンジニアとして再出発。通勤の電車内では自分の事業に取り組み、徐々に収入は増加。インターネット事業だけで月100万円を超えるようになった。

 ところが、長くは続かなかった。検索サイトの環境変化などで収入が急減した。さらに、収入が多かった前年分の税負担は後からやってくる。

 「稼いだ時は、自分がお金持ちになったような気になっていました。でも収入がなくなってから税金が来る。つまり、お金について何も知らなかったんです」

 事業を立て直し、再び稼げるようになっても、同じようなことを繰り返してしまう。

 「稼ぐ、使う、なくなる。また稼ぐの繰り返し。そこで初めて、稼ぐ力だけでは、お金は残らないんじゃないかと思うようになったんです」

大富豪の教えは「まず守れ」

 そんな時、偶然見つけた一冊の本から、日本人で資産4000億円の大富豪との出会いにつながった。

 最初は、株の銘柄や投資のテクニックを教えてもらえると思っていた中城さんだったが、実際に繰り返し教えられたのは、お金との向き合い方。その一つが「まず守れ」だった。

 「みんな稼ぐことから考える。でも、守れていない状態で収入を増やしても、どんどんお金は出ていく」

 中城さんがいう「守る」は、単なる節約ではない。

 税金や保険、契約しているサービスなど、普段は深く考えずに支払っているものがある。例えば保険に入っていても、どのような場合に補償を受けられるのかまで理解している人は多くない。

「例えば、子どもが掃除機を倒して壊してしまった場合でも、契約内容によっては火災保険の補償対象になるケースがある。でも、ほとんどの人は知らない」と中城さん。

 使える制度や契約内容を知らなければ、本来避けられた出費まで自分で負担することになってしまうということだ。

 また、数円安い商品を求めてスーパーを何軒も回れば、時間を使う。安く買えた金額以上に、時間を費やしてしまえば、本当に得だったかどうかは分からない。

家族を守ることが原点

セミナーへの参加者は女性も多い

 「節約することだけが守ることではありません。自分が何にお金を払い、どんな制度を使えて、どこからお金が出ていっているのか。まずは知ることからはじめなければなりません」

 大富豪から教えられたことは、お金だけではなかった。「家族を大事にしろ」と繰り返し言われたという。

 独立後、収入が増えた時期には、自分で稼いでいる意識が強くなり、家庭がぎくしゃくすることがあった。仕事がうまくいかなくなると、さらに余裕がなくなってしまう。

 「自分のためだけにやっていた時は、何をやってもうまくいかなくなった。妻や家族、周りの人のために何ができるかを考えるようになってから、すべてがうまく回り始めたんです」(中城さん)

 2冊目の著書「誰も教えてくれなかった 本当のお金の守り方」で伝えたいのは、一獲千金の方法ではない。

 中城さんは「多くの人は今よりも稼げれば、お金が残ると勘違いしていますが、『稼ぐ』よりも『守る』の方が必ずお金が残り、増えていくということを知ってほしい。僕自身、何度も稼いでは失ってきた。だからまず、お金を守れる状態をつくることの大切さを伝えたい」と繰り返す。

 J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査2025年」によると、50歳代で二人以上の世帯が保有する金融資産は平均1908万円で、中央値は700万円だった。平均と中央値には1200万円以上の開きがあり、世帯による資産保有額のばらつきの大きさがうかがえる。実際に、貯蓄額が2000万円以上の世帯は26.9%で、貯蓄ゼロの世帯も18.2%というのが今の日本の状況だ。

 中城さんは「私自身、幼少期の平成バブル崩壊時に家庭が崩壊したことで、辛い経験をしてきた。過度の節約や貯金、投資ではなく、本当の意味での金融リテラシーをみんなが身につけ、格差が広がる現代社会を乗り切ってほしい」と話している。

 中城さんの著書「誰も教えてくれなかった 本当のお金の守り方」は10月14日に発売。全248ページで価格は1815円。

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